研究課題/領域番号 |
26381117
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研究機関 | 北海道教育大学 |
研究代表者 |
藤森 宏明 北海道教育大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (20553100)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教育政策 / 教職大学院 / 大学院教育 / 教師教育 / 教員養成 |
研究実績の概要 |
第2年次(平成27年度)の実績は、以下の通りである (1)第1年次で課題と感じた現職と学部新卒との院生の学びの違いについて、当方の担当する授業を活用し、その分析を行い、論文にまとめた。具体的には、学級経営における実践発表の捉え方が現職院生と学部新卒院生とで、どのように異なるかを授業中の「振り返りシート」からテキストマイニング分析により、分析・考察を行った。その結果、学部新卒院生は、子ども理解という部分に関心が行き、若手の現職であれば、学校全体を俯瞰する観点に、そして、中堅・ベテランとなれば、学校組織の一員としても学級経営を捉えていることが特に明らかになった。このことは大学院の教育課程上「学部新卒」「現職」では異なった授業到達目標を掲げることが重要であるとともに、こういった傾向を配慮した授業実践の行い方もまた重要であることをデータによって示すことができたと考えられる。 (2)第1年次で課題と感じた、大学および大学院での学びの成果が、教育現場で教育実践を行うにあたり、どのような影響力を持っているのかについて、アンケート調査を行った。具体的には、本学の教職大学院修了生、修士課程修了生、そして北海道全体の小中学校に勤務する教職員に合計約1500票のアンケートを行い、「大学時代・大学院時代の教育課程」「大学・大学院での活動」「現在の状況及び課題」「教師の能力観」という4つの観点の関係性を測定すべく調査を行った(回収約1000票)。 調査の結果は、まだ自由記述の集計が終了した程度であり、作業が遅れているものの、教育課程というよりは学生時代の活動のほうが、現在の教育実践や課題の見える部分との関連性が強い傾向が見え隠れしている状況であり、さらに詳細な分析が必要な状況である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の本研究は、アンケート調査を行い、集計することが最大の目標であったが、別件の業務などで、調査票の作成が1月上旬まで遅れた。そのため調査の実施が当初の予定から約一ヶ月ほど遅れ、1月下旬~2月中旬に行ったため、集計作業が回答者の属性と自由記述程度にとどまっているため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、一刻も早く集計を完了させ、分析が行えるデータベースを構築する。そして、分析を行う時間を確保し、分析をすすめていく。また、アンケート調査だけでは見えなかった部分についてはヒアリング調査を行う。さらには本研究を通じ成果や課題と感じた部分は日常の授業実践にも反映させ、教育実践論文の執筆も行う。 現在特に課題となる部分は、データベースの作成が遅れているにもかかわらず授業の繁忙期が重なっている点である。この手だてとしては、予算に多少の余裕があることを活用し、一日も早くデータを完成させることと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の予定では、平成28年度の予算は500,000円となっていた。ただ平成27年度実施のアンケート調査の予算について想定を超える可能性が生じた。そこで前倒しとして平成28年度予算の500,000円のうち350,000円を平成27年度予算に加え、かつ申請時の予算より減額された分、平成26年度の予算を倹約し(384,060円)平成27年度予算に加えた。そして、集計の時間が短かかったため、人件費が少なくなった結果、次年度使用額は上記の658,845円となった。(これに加え前倒しの残り150,000を加えたもの(約80万円)が平成28年度の合計予算額となる。)
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次年度使用額の使用計画 |
基本的には集計のすんでいないアンケートに予算を投じる。また、卒業生・修了生のインタビュー調査を行う(二つあわせて50万程度)。そして、学会発表を二つ予定している(2泊3日×2=約30万円)。
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