研究課題/領域番号 |
26381124
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
秋庭 裕子 一橋大学, 商学研究科, 特任准教授 (10313826)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 国際化 / マレーシア / 留学生 / 教育成果 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、マレーシアにおける高等教育ならびに留学生受入に関わる政策的動向とマレーシアの国際化に関する先行研究をまとめ、その動向と課題について検討した。また、国内外の学会でお会いしたマレーシアの大学関係者にも聞き取りを行い、現状の把握にもつとめた。その結果、マレーシアの留学生受入は、数的拡大から質的拡充に転換しており、近年ではポスドクや大学院レベルでの留学生獲得によって、研究・教育レベルの質的向上を図っていること、私学は学部レベル、国立、特に研究大学と言われる大学では、大学院レベルでの留学生受入れといったように、留学生の受け入れに違いがあることがわかった。 また、本科研費で留学生教育学会に参加し、留学生との協働学習による国内学生への教育的インパクトについての情報収集を行った。留学生との協働学習に関するワークショップにおいて、協働授業を通じて実践研究を行っている国内の研究者と意見交換を行った。ワークショップでの意見交換で分かったのは、協働授業における教育成果の可視化、理論は日本国内ではまだ発展途上であり、留学生と国内学生を一緒のクラスで授業を行うだけでは教育成果は見込まれず、教員が授業を設計し、授業以外でも学生を援助する必要性が再認識された。 平成26年度は先行研究と政策動向の分析が中心であり、マレーシアの現地協力者の異動により、現地調査はできなかったが、国際学会において、マレーシアの大学関係者で、留学生と国内学生(マレーシア人学生)との協働学習における異文化適応度の変化を研究している研究者にも会うことができたので、平成27年度以降は、複数の現地協力者と連携しながら、マレーシアでの調査を進めていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究プロジェクトが平成26年度に予定していた研究活動は、ほぼ予定通り実施することができた。特に、これまで収集してきたマレーシアの国際化政策とそれに関連した先行研究を整理、分析できたことは大きい。また、その成果を国内の学会で発表した。さらに留学生教育に関する国内外の学会に参加し、関連分野の研究者と活発な意見交換を行い、ネットワーキングできたことは、本研究を推進する上で非常に有益であった。これらの活動を通して、今後取り組むマレーシアでの現地調査の現状と課題をより明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度には、平成26年度に遂行できなかった現地調査を行う予定である。現地での国内学生、教員への聞き取り調査は現地の協力者が不可欠であるが、平成26年度には現地協力者の異動により、予定通りに調査が遂行できなかった。しかしながら、協力者の異動先の大学で聞き取り調査に協力してもらえることが分かったため、平成27年度は現地調査を実施し、今後の研究成果の発表と論文作成に備えたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
マレーシアでの現地協力者である大学教員が、平成26年度に別大学に移ったため、以前の勤務先で以前から知り合っていた教員や、学生への聞き取りが困難となり、現地での調査を平成27年度に延期することになった。
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次年度使用額の使用計画 |
現地協力者と相談の上、平成26年度に実施できなかった現地での調査を、平成27年度に実施することとなった。
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