研究課題/領域番号 |
26381129
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (20319213)
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研究分担者 |
岡山 茂 早稲田大学, 政治経済学術院, 教授 (10308132)
大前 敦巳 上越教育大学, 学校教育研究科(研究院), 教授 (50262481)
隠岐 さや香 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (60536879)
藤本 一勇 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (70318731)
上垣 豊 龍谷大学, 法学部, 教授 (80183747)
中村 征樹 大阪大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (90361667)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高等教育 / 日本 / フランス / 国際情報交換 |
研究実績の概要 |
2014年度は、研究目的として設定している、2000年代以降の日本とフランスにおける高等教育改革をそれぞれのシステムの歴史と構造を踏まえながら比較するという問題関心にもとづき、また研究を進めていく主たる軸として設定した、①「大衆化」と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策と大学のガバナンス、③大学評価の諸相、④教養教育とキャリア教育、⑤それらの全般的背景としての高等教育改革の歴史的展開過程、の5つの課題を念頭に置きながら、研究を進めた。研究の成果は、雑誌論文、学会発表、図書といった形で公表しているが、これら①から⑤のうちでは、特に①、②、④、⑤に関わるものについては、すでに具体的な研究実績という形で公表するに至っている。また、2015年3月17日に本科研の研究報告会を神戸大学人文学研究科において開催し、研究分担者間での研究成果の共有を図った。上記①から⑤の具体的に設定した課題に即して見るならば、①については、教育の側面ばかりでなく、研究や科学技術政策といった観点との関わりにも注目することの重要性、②については、大学執行部の選出方法や事務局長の役割、大学と政府との関係等、大学運営のあり方についての日本とフランスとの比較検討、③については、評価の諸様相と、これに関連する論点として、具体的には評価という形をとらずともフランスおよび日本の双方において近年さらに重みを増している、プロジェクト型の教育や研究の政策の意味、④については、中世以来の教養教育の意味と、戦後や近年の動向を含む、その歴史的な文脈のなかでの位置づけ、⑤については、19世紀フランス、戦後フランス、なかでも1960年代、1980年代等にそれぞれ具体的に焦点を据えた具体的な事例や、日本の国立大学法人化とフランスのLRUの政策やその後の展開等、諸々の点について、考察を進めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究の目的、またそれを実現するために設定した5つの課題について、おおむね順調に研究を進めてきている。
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今後の研究の推進方策 |
2014年度に得られた研究成果を踏まえつつ、研究の目的、またそれを実現するために設定した5つの課題を念頭に置きながら、研究を進めていく。2015年度、2016年度には、フランスからの研究者の招聘、フランスへの研究者の派遣も行い、国際的な観点にもとづく研究交流、研究の深化をさらに進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初、フランスからの研究者の招聘を予定していたが、先方の都合がつかず、2014年度における招聘を見送ったことが、次年度使用額が生じた主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
2015年度には研究者の招聘を実現し、研究の推進、深化を図る予定であり、そのための予算として充当する使用計画を立てている。
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