研究課題
2016年度も、本科研の研究目的である、2000年代以降の日本とフランスにおける高等教育改革をそれぞれのシステムの歴史と構造を踏まえながら比較するという問題関心にもとづき、研究を進めていく主たる軸として設定した、①大衆化と「卓越化」との二律背反の相克、②高等教育の「自由化」政策と大学のガバナンス、③大学評価の諸相、④教養教育とキャリア教育、⑤それらの全般的背景としての高等教育改革の歴史的展開過程、の5つの課題を念頭に置きながら研究を進めた。今年度は特に、研究者3名をフランスから招聘して国際シンポジウムを2回開催した。2月16日に龍谷大学(京都)で開催した「日仏高等教育国際シンポジウム:Colloque international sur l’enseignement superieur en France et au Japon」および、2月18日に日仏会館(東京)で開催した「知識人、学生、そしてすべての人のための大学:L’universite pour les intellectuels, pour les etudiants et pour tous」(入力の関係でアクセント記号は省いている)である。両シンポジウムでは、日本の私立大学について、大学のガバナンスについて、大学の理念、エリートと社会科学、日仏高等教育比較の意義、高等師範学校への歴史的な視点、知識人と大学、1960年代末の大学闘争の今日的意味等、多様な観点から議論が展開された。これら報告については刊行の可能性を探っている。さらに3年間の研究期間を締めくくる研究会を3月8日に早稲田大学で開催した。また、両シンポジウムを含むこれまでの3年間の研究成果をまとめるものとして、本科研の「研究成果報告書」(392頁)を作成した。なお本年度も、学術論文、学会発表等といった形での研究成果の発表も積極的に行なっている。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うちオープンアクセス 1件) 学会発表 (26件) (うち国際学会 11件、 招待講演 8件) 図書 (2件) 学会・シンポジウム開催 (2件)
『学術の動向』
巻: 22巻2号 ページ: 32-36頁
『上越教育大学研究紀要』
巻: 36巻2号 ページ: 308-317頁
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『社会学雑誌』
巻: 31・32号 ページ: 1-2頁
巻: 31・32号 ページ: 3-21頁
巻: 31・32号 ページ: 22-42頁
巻: 31・32号 ページ: 43-51頁