本研究では、孔子学院を拠点とする中国の対外的言語教育政策・実践の展開を振り返り、①管理運営組織と様式、②教員の質保証、③所在大学との関係、④内容面での影響関係の各観点から、内在する政策的意図や問題点を解明することを目指した。孔子学院急増の背景には、国際舞台でのプレゼンスを強める中国側のプッシュ要因と、一方で招致国側のプル要因が認められるが、その力学は一様ではなく、国・地域・機関による違いがある。調査した各機関の比較考察を通じて、立地条件を考慮に入れた特色や新機軸を打ち出した孔子学院に発展可能性が認められた。
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