研究課題/領域番号 |
26381136
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
上間 陽子 琉球大学, 教育学部, 准教授 (90381194)
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研究分担者 |
仲嶺 政光 富山大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (00303032)
望月 道浩 琉球大学, 教育学部, 准教授 (10352642)
芳澤 拓也 沖縄県立芸術大学, 美術工芸学部, 准教授 (10389950)
辻 雄二 琉球大学, 教育学部, 教授 (20272122)
長谷川 裕 琉球大学, 法文学部, 教授 (30253933)
打越 正行 特定非営利活動法人社会理論・動態研究所, その他部局等, 研究員 (30601801)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 若者 / リスク層 / 逸脱 / 風俗 / 学力調査 / 悉皆データ / 沖縄 |
研究実績の概要 |
本研究は以下の3つの調査から構成されている。風俗業界で仕事をしている若者の仕事と生活、そして家族を経年的に聞き取るという【調査A】と、沖縄県の子どもたちの学力がどのような特徴を持っているのかを、貧困との関係、教科構造との連関を解明する【調査B】と、沖縄県の教職員が貧困問題にどのように対応しているか解明する【調査C】である。 【調査A】に関しては、以下の成果を発表した。1上間陽子「キャバ嬢になること」『atプラス』太田出版2016年5月(pp.10-27).2上間陽子『月刊セクシャリティ』2016年夏号(印刷中).3「地方で生きる若者のリスク」『生活指導研究』日本生活指導学会第32号(pp.1-11)2016年.1は、1人のキャバクラで仕事をしている女性の4年間の参与観察、インタビュー調査の記録になっており、仕事・生活・家族の3側面に注目しながら執筆している。2は沖縄の風俗業界で働く女性のなかでも、中卒で仕事を開始した女性たちの定位家族、生殖家族の様子にとりわけ注目しながら整理している。3は、風俗業界で仕事をしている女性と男性の差異に注目したものとなっている。1,2,3のいずれも、沖縄の共同体が、低学歴・定収入・低階層の女声たちをいかに排除しているのか、彼女たちの生活の背後に暴力がどのように横たわっているのか、彼女たちなりにそれを回避する戦略がどのように編まれているのかに注目したものだといえる。 【調査B】の学力調査の分析は2013年、2014年の沖縄県の悉皆データの貸与を文部科学省から受け、その傾向分析ならびに教科ごとの特質の分析を行った。この報告書の特徴のひとつは、数学・国語の教科プロパーによる学力調査の出題・回答傾向分析を行っている点にある。沖縄県のみのデータではあるが、教科の分析とリンクした学力調査はあまりないので、そういった意味では意味のある分析になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
【調査B】に関しては、当初、自ら設計した調査をもとに分析を手掛ける予定だったが、県からデータ貸与をうけることができたので、悉皆データを分析することができたため(1)の当初の計画以上に進展していると判断できた。これによって、より明瞭な分析が可能になった。 【調査A】に関しては、継続調査は当初の計画どおり実施しているほか、あらたに、若年出産女性・シングルマザーの聞き取りに拡張する予定である。この点も、(1)当初の計画以上に進展しているの理由である。
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今後の研究の推進方策 |
上述したが、今年度は次のようなことがらを重点的に行いたい。 【調査A】に関しては、風俗調査のフィールドを拡張する予定で、そのための下準備に入っている段階にある。また、風俗で働く女性たちに若年出産・シングルマザーが多いが、風俗で働いていない若年出産・シングルマザーとは差異があるのかどうかについて、後者の女性を対象にした調査も今年度手掛ける予定である。 【調査B】に関しては、貸与された悉皆データの分析も完了し、報告書も作成したことから、リーフレットの作成を年度初めに実施したい。リーフレットは沖縄県内の小中学校の教員に配布する予定である。 【調査C】の教員層へのインビュー調査も5月から開始予定で、それぞれの年代4人程度、15名へのインタビューを設計している。4月に質問紙作成、5月上旬にプレ調査は完了しており、5月末から順次、インタビューを開始する。調査協力者の選定は完了している。
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次年度使用額が生じた理由 |
【調査B】の学力調査は、当初の計画では調査設計、実査まで独自調査で行う予定だったが、学力調査の実際のデータの貸与を受けることができたので、独自調査の必要性はなくなった。それによって調査費用を大幅に削減することができた。そのため、当初の予定していた【調査A】【調査C】の範囲をひろげる。
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次年度使用額の使用計画 |
【調査A】に関しては、若年出産女性・シングルマザーへ調査対象者をひろげる。風俗調査においても、若年出産女性・シングルマザーが多く、彼女たちの多くが、貧困や孤立、定位家族の困難を抱えている場合が多かった。他方で、若年出産女性でシングルマザーでありながらも、別の仕事をしている女性たちもいる。彼女たちの生育などに差異はあるのか、焦点を当てて整理を試みる。新たに選定した対象者に対しての謝金として予算を計上する予定である。 【調査C】に関しては、歴史的な整理ということで、年代を60代、70代をターゲットにしていたが、現在の学校の様子を捉えるために現役世代を調査対象として聞き取りを実施する。これによって、沖縄県の施策のインパクトを整理できると考える。対象者への謝金として予算を計上する予定である。
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