研究課題
沖縄県の貧困の総合的調査の研究として企図したのは、沖縄の教育界の状況を貧困との関係で明らかにすることであった。そのため、1とくにリスクの集中する子どもの視点による学校体験を分析すること、2沖縄県の子どもの「学力」の傾向がどうあらわれ、それが貧困のインパクトをいかにうけているのかをはかり、授業改善方法について考えること、3沖縄県の教員が、子どもたちの生活実態をどのようにとらえ、授業づくりや生活指導としてどのような働きかけをつくってきたのかについて世代別に傾向をはかること、以上の三点である。まず1については、「低学力」「低学歴」「低階層」でリスクの集中している若者を中心に3年間の聞き取り調査を実施している。なかでも中卒で若年出産をし、風俗業界で働くようになった女性たちにとっての学校体験が、存在論的安心の砦となる必要性、移行の危機をのりきるためのほぼ唯一のネットワークとなることなどを明らかにした。なおこの調査は、2017年2月からの若年出産女性調査ともリンクする形で発展させている。2については、文科省実施の全国学力学習状況調査の2013年2014年の沖縄県悉皆データの貸与をうけることができたので、教科教員の協力をうけて、低学力である子どもの特徴、授業の傾向といった分析まですすめることができた。3については、各コーホート2名から3名合計12名の教員に聞き取りをすませており、世代的な傾向について整理している段階である。
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高度教職実践専攻紀要
巻: 1 ページ: 1ー6
atプラス
巻: 29 ページ: 94ー109
巻: 28 ページ: 10ー27