研究課題/領域番号 |
26381146
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
笹岡 幹子 (西村幹子) 国際基督教大学, 教養学部, 上級准教授 (20432552)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 初等教育 / アフリカ / コミュニティ / 社会関係資本 / 学校運営 / 参加 / ケニア |
研究実績の概要 |
2016年度は、セネガルについては、前年度のデータの分析および学校調査データの分析、ケニアについては、学校の継続的な現地調査を行った。セネガルの学校調査データについては、定量的な分析を行い、コミュニティの学校運営への参加と教育の質との関係性について明らかにした。また、2015年度末に行った調査結果を論文としてまとめ、特にセネガルにおけるコミュニティ参加のあり方における都市部と農村部の違いについて分析した。ケニアにおいても、継続して調査を行った結果、、学校と親・コミュニティ間の関係性の継続性、変容、外的要因の特定等を行うことができた。特に、学校運営委員会に関する規則の変更(学校運営委員会委員長の教育資格の追加された)ことによるコミュニティの学校との関係性のパターンの変化を捉えることができた。 調査の暫定的な結果としては、セネガルとケニアの両国において、コミュニティが政府に対して果たす役割として補完的役割と代替的役割を見出し、教育の質との直接的・間接的な関係性を確認することができた。また、農村部と都市部の状況の違いや私立校の選択肢の有無が、公立小学校における親とコミュニティの参加のあり方に少なからず影響を及ぼしていることが判明した。さらに、2015年度に分析したコミュニティ参加の促進要因については、2017年度の調査においてもその有効性を確認することができた。今後は、この比較研究の結果を踏まえ、理論的枠組みにフィードバックしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セネガルの学校調査を入手したことにより調査が効率的に進んだこと、ケニアにおいては非常に協力的な研究協力者を得て分析が進んだことから当初の予定通りに遂行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
2017年は最終年度であり、5月に研究協力者を招いて成果発表のセミナーの開催を予定している。また、これまでの研究成果についての発表や執筆活動を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
セネガルにおいても現地調査を行う予定であったが、学校調査データを入手できたことから、現地調査の必要性がなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果発表および研究成果の妥当性についての検証のため、研究協力者を日本に招聘する費用に当てることとしたい。
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