若者の社会的自立の困難さが指摘される今日、数多くの中退者や進路未決定卒業者を生み出す「教育困難高校」では、就労・就学さらには社会参加を念頭に置いたソーシャルスキル育成のためのキャリア教育を実践せざるをえない状況にある。中退者調査も示唆するとおり、学校での対人関係のネットワークや援助の資源がなくなると、将来展望のみえない孤立した生活を送る若者が増える。生活習慣形成や集団協働活動、相談支援活動など高校での広範なキャリア形成の実践を念頭に置きつつ、そこでの活動の実際と特徴、生徒たちへの影響などを、インタビュー等によって実証的に調査し、他機関の活動とも比べつつ、課題の所在と支援のこれからを検討した。
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