本研究は、就労支援という仕事の詳細と就労支援者のキャリア形成に焦点化し、主に以下の知見を得た:(a)就労支援者のなかには、地域の活性化にも関与している人びともいる、(b)自治体の委託事業は単年度発注ゆえ、多くの受託組織では事業の様相が毎年異なり、実験的試みの繰り返しとなり不全感を抱いている、(c)就労困難者の福祉・教育ニーズの多くは、事業開始後に顕在化するため、柔軟な運用が必要だが、自治体の形式主義に妨げられることが少なくない、(d)就労支援者は、中長期的なスキル形成とキャリア展望に困難や不安を抱えている。
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