• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2015 年度 実施状況報告書

オーストリアにおける政治教育の定着過程の研究

研究課題

研究課題/領域番号 26381153
研究機関早稲田大学

研究代表者

近藤 孝弘  早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 教授 (40242234)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2019-03-31
キーワード政治教育 / オーストリア / 公民教育 / ドイツ / 教員養成
研究実績の概要

今年度は,昨年度の末に収集した資料の分析を中心に進め,また年度末に改めてウィーンとザルツブルクにおいて現地調査を行った。
これまでに分析した主な資料は,オーストリアの政治教育の発展に関する過去の行政文書とそれに関連する研究,また,政治教育についての教授学的研究そのものである。より具体的には,前者は1949年の「公民教育に関する布告」と1978年の「政治教育の基本原則」,そして2015年6月22日に発せられた教育女性相による回状「学校における政治教育の原則」を手がかりとして,それらのあいだに見られる政治教育観の違いを,関連する研究も参照しつつ分析した。他方,現地調査では,昨年に続いてザルツブルク教育大学で政治教育学を担当する教授より,この間に進められた教員養成課程改革についての情報の提供をいただいたほか,ウィーン教育大学に設置されている政治教育センターの担当者から,労働会議所と教育女性省政治教育課による近年の政治教育への支援策について情報提供を受けた。
また,ザルツブルク教育大学附属中学校を訪問し,歴史・政治教育科の授業観察を行ったほか,担当教員から,自分が学生時代に受けた教員養成課程と現在の課程の違い,ならびに政治教育に対する生徒と親の期待についての理解,そしてドイツにおける政治教育関係者との交流等についての情報提供を受けた。
なお,これまでのところ論文等の形で活字化された研究成果は出ていないが,その一部は,各地で開催される政治教育関連の研修会や新聞等で発表している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定していた文書館における資料調査がやや難航しているが,それ以外の進捗状況は良好である。また,教員養成課程の改訂という新たな研究対象が生じたことから,若干計画を拡大する方向で修正した。
なお,これまで遅れていた研究成果の中間まとめは,2016年の夏休み前に2件の学会発表を行うなかで実行予定である。

今後の研究の推進方策

今年度は,旧年度の末に行った調査の分析を続けるほか,改めて研究対象地域をザルツブルクとウィーンから他のもう一つの地域に広げる予定である。オーストリアでは,学習指導要領は全国統一だが,大学における教員養成課程は地域ごとに異なることから,この作業は研究全体の遂行上不可欠である。

次年度使用額が生じた理由

主として,勤務校での仕事のため,現地調査の日数が予定よりも減っていること,また,購入予定だった書籍を訪問先で寄贈されたことなどにより,その購入の必要がなくなっていることによる。

次年度使用額の使用計画

新年度においては,これまでのよりも調査地の範囲を広げる予定であることから,調査日数を確保し,その滞在費として有効に活用したいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ドイツの政治教育から考える-論争性と中立性の理解をめぐって-2015

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 雑誌名

      人間と教育

      巻: 88 ページ: 46-51

  • [学会発表] 移民国家の認識と市民統合の教育2015

    • 著者名/発表者名
      近藤孝弘
    • 学会等名
      日本比較教育学会
    • 発表場所
      宇都宮大学
    • 年月日
      2015-06-14
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2017-01-06  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi