研究課題/領域番号 |
26381158
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研究機関 | 龍谷大学 |
研究代表者 |
出羽 孝行 龍谷大学, 文学部, 准教授 (20454530)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 京畿道人権教育研究会 / 全北児童生徒人権条例 / 教員の社会的地位 |
研究実績の概要 |
本年度においては、京畿道児童生徒人権条例制定とその後の定着に取り組んでいる教員の研究会である京畿道人権教育研究会の月例セミナーや、冬期研修会に参加し、現在、韓国に学校における児童生徒の人権状況とそれを擁護するための取り組みについての調査を行った。 特に、2017年2月に1泊2日の日程で参加した冬期研修会では全州において全北人権教育センターの関係者との討論会に同席し、全羅北道における児童生徒人権施策を聞き取り、児童生徒の人権問題に現場で取り組む人々の意見を聴取することができた。本研究は京畿道での児童生徒人権条例を対象としたものであるが、全羅北道の状況を比較検討することで、京畿道の特徴を明確にすることができると考える。 また、2016年12月にはソウルにある人権政策研究所を訪問し、関係書類などを収集した。これらの調査活動に加え、適宜、国立中央図書館や国会図書館などでも児童生徒人権に関連する資料を集めた。 こうした調査活動とともに、本年度は韓国の教員の教員評価の現状について研究する機会があり、それを通じて教員の学校や社会での位置づけについての知見を得ることができた。また、京畿道人権教育研究会のメンバーとオンライン上での交流を行っていく中で、現時点での児童生徒人権に関わる問題を把握することが可能となっている。 これらの研究成果をまとめ公表する作業については、本年度に行うことができなかったため、次年度(最終年度)に行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究プロジェクトの研究計画を設定する前に予想していなかった研究作業が入ったことにより、当初の予定が遅れ気味となった。具体的には韓国の教員研修や教員評価に関わる研究、日本の環境教育に関する研究発表、そして韓国の学校給食に関する研究発表を行った。予想以上にこれらの研究に時間を要した。ただ、こうした研究は本科研における研究とも密接に関連しており、本研究プロジェクトを進める上で大きな示唆を得ることができたと認識している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度行った調査をまとめるとともに、韓国における児童生徒人権条例に関わる専門家などを日本に招聘し、研究成果を日本社会にも広められるように留意する。 また、韓国の教員の研修制度についての研究を通じて、児童生徒人権条例を内実化していくための方策についてより深く探求していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画が遅れ気味であったことが主な理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
これまでに行ったインタビュー調査の文字おこしの謝礼や、韓国への出張費、そして研究協力者の招聘に使用する予定である。
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