研究課題/領域番号 |
26381159
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
杉浦 健 近畿大学, 教職教育部, 教授 (30298989)
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研究分担者 |
八木 英二 京都橘大学, 人間発達学部, 教授 (30071278)
松浦 善満 龍谷大学, 文学部, 教授 (40243365)
林 美輝 龍谷大学, 文学部, 准教授 (80547753)
横山 政夫 大阪音楽大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90449603)
大前 哲彦 大阪体育大学, 教育学部, 教授 (60097954)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教員のソーシャルキャピタル / 同僚性 / 教員の職能成長 / バーンアウト / 学び合う共同体 / 教員のエンパワーメント |
研究実績の概要 |
本研究は、科研費の研究分担者と研究協力者で組織する「学校づくりと教職員研究会」によって行われている。 まず、何校かの研究協力校への事例調査を行った。研究会にゲストとして教員の方に参加してもらい、話を聞くととともに、こちらから質問を行って、各学校における教員同士の連携関係などについて明らかにしている。 そこではいくつかの興味深い示唆、例えばフォーマル、インフォーマルな「学び合う関係」が教員のエンパワーメントにつながる、納得に基づく民主主義的な職員会議のあり方が学校改善につながる、子どもについての情報共有のシステムが安心感のある職場を作る、学校外での学びが教員の元気につながるなどが得られている。この結果は、「学校における教員のソーシャル・キャピタルについての事例研究(近畿大学教職教育部紀要,Vol.27巻第2号,印刷中)」で報告を行っている。 また27年度には、この研究の一環として、教員の方への大規模アンケート調査を実施した。200以上の小学校、中学校、高等学校、特別支援学校に調査を依頼し、現在、返信を待っている状況である。 このアンケート調査では、教員のソーシャル・キャピタルを測定する尺度を作成し、各教員の状況(勤務年数や立場、部活動担当の有無など)や、各学校がおかれた状況(学校種や学校規模、問題行動の有無など)、教員の職能成長やストレス、バーンアウトの状況との関連を調べている。 今後、教員の持つソーシャル・キャピタルが教員の職能成長やストレス低減、バーンアウト予防にどのような影響を与えるのかを分析する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一番の懸案であった教員のソーシャルキャピタルについての大規模調査について、無事配布を終了させたため。200校強の小中高等学校、支援学校へ、9000近い質問紙を配布した。今後、一番の懸案事項は、配布率の向上である。現在中間集計を行ったが、まだ回収率が非常に低い状況であった。今後、催促など回収率アップをめざしたい。
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今後の研究の推進方策 |
まずは回収率アップが最も求められることである。今後、必要とあらば、各学校への文書での催促などを行いたい。 また、各学校への質的調査(インタビュー調査)についても、引き続き行っていきたい。アンケートの自由記述において、例えば勤務時間の長さによるストレスなど、いくつか有力な情報が得られているため、それらの問題に注目した調査についても行いたい。 報告書は、量的・統計的な調査と質的なインタビュー調査を有機的につなげ、現場に役立つ状況を提供できるものにしていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
大規模調査の回収が遅れており、データの打ち込み作業料金をまだ支出していないためである。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のようにデータ打ち込み作業料金のために支出を行う予定である。自由記述データの打ち込みもあるため比較的多額の費用が掛かると思われる。 また研究報告書の印刷製本代、および協力学校への郵送費についても使用する計画である。
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