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2017 年度 実績報告書

カナダ先住民族の高等教育実践に関する研究―BC州の先住民族自治体の「民族大学」

研究課題

研究課題/領域番号 26381164
研究機関鹿児島純心女子大学

研究代表者

広瀬 健一郎  鹿児島純心女子大学, 国際人間学部, 准教授 (80352491)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード先住民教育 / 民族大学 / 先住民権 / カナダ / ブリティッシュコロンビア
研究実績の概要

本年度は、BC州の公費大学・カレッジ(以下「公費大学」と略記)の学校文書、先住民族高等教育・成人教育協会(およびファーストネーション教育運営委員会の刊行物、新聞記事を収集した。とくに新聞記事については、ブリティッシュコロンビア大学附属図書館所蔵のデータベースより、510件の記事を収集した。これらの資料をもとに、公費大学による先住民族支援策を、先住民族言語・文化の伝承と先住民族教員の養成に焦点をあてて明らかにするとともに、かかる支援策における「先住民族大学」の位置づけを明らかにした。
第1に、BC州では、1980年半ばより、自発的な先住民言語の教授や先住民教員の養成に取り組む公費大学が現れたが、BC州内にこのような取組みが広がるのは1990年代後半以後であることが明らかとなった。現在では、公費大学の多くに「先住民族学科」や「先住民族教員養成課程」等がおかれている。このような取組みの広がりは、BC州政府高等教育省による「先住民族特別プロジェクト資金」、「先住民族サービスプログラム」の策定と連動していた。
第2に、大学における先住民言語・文化の教授は、初等中等教育における先住民言語・文化の導入とともに、先住民言語・文化の教員養成と一体となって展開してきたことが明らかとなった。このプロセスにおいては、ファーストネーション教育運営委員会と州高等教育省、BC教員協会(州の教員免許状交付機関)との合議のもとに、教員養成カリキュラムが策定され、法制化されている。
第3に、これらの先住民族言語・文化教育の実践においては、先住民族コミュニティが重要な役割を担っていることが明らかとなった。ほとんどの実践が先住民族コミュニティとの協議のもとにカリキュラムの策定をすすめている。また「民族大学」を設置しているコミュニティにおいては、公費大学の協力を得て、コミュニティ内で実施している。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2018 2017

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] ブリティッシュコロンビア州の大学による先住民族教育における「民族大学」の役割2018

    • 著者名/発表者名
      広瀬健一郎
    • 雑誌名

      こども学研究

      巻: 10 ページ: 印刷中

  • [学会発表] Restoring Strategies of Ainu Rights to Education:Suggestions from First Nations’ Experiences in Canada2017

    • 著者名/発表者名
      Kenichiro Hirose
    • 学会等名
      The International Conference on Policy towards Indigenous Peoples:Lesson to be learned
    • 国際学会
  • [図書] カナダの歴史を知るための50章2017

    • 著者名/発表者名
      細川 道久
    • 総ページ数
      384
    • 出版者
      明石書店
    • ISBN
      978-47503-4506-2

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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