研究課題/領域番号 |
26381165
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研究機関 | 札幌国際大学短期大学部 |
研究代表者 |
品川 ひろみ 札幌国際大学短期大学部, 幼児教育保育学科, 教授 (80389650)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 多文化保育 / 外国人児童 / スウェーデン |
研究実績の概要 |
①国内調査においては、群馬県O町の行政と町内6か所すべての保育所を対象とした調査をおこなった。調査の方法は各保育所を対象としたヒアリング調査と、保育士を対象とした質問紙調査である。調査結果については現在分析中である。また26年度の調査で明らかになった一部の保育所におけるアイヌ文化を取り入れた保育についても、質問項目の中に加えた。本調査の結果についてはこの後のスウェーデン調査との比較をおこなう予定であるが、6月におこなわれる日本子ども社会学会においても、国内の多文化保育の現状として発表する計画である。 ②また多文化保育の現状について、首都圏の状況も把握しておくため、事前調査としてNPO団体である多文化共生センター東京を対象としたヒアリング調査をおこなった。東京都は多様な外国人が居住していが保育所において多いのは中国・朝鮮等のオールドカマーの児童である。多文化共生センター東京では「親子日本語教室」を実施して日本語や生活に対するサポートをおこなっているとのことであった。これらは28年度に行う新宿区の調査に有益な情報であった。 ③27年度の学会報告として、北海道子ども学会において「多文化保育の比較検討に関する研究-検討の意義と比較の視点 スウェーデンとの比較-」と題したポスター発表を行った。本報告における比較の視点は、前述した国内調査の質問紙項目の内容に反映されている。 ④スウェーデンの保育の現状について文献調査を行った。保育のシステムについては多くの情報があるが、移民や少数民族の保育については詳しい情報は多くはない現状であり、28年度の調査ではそれを踏まえ最新の情報を得られるようにしたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまでの2年間で予定していた国内調査は順調に進んでいる。調査実施時期が数か月遅れてしまったが、現在分析中であり今後の計画には影響しない予定である。 現在は平成28年度に行う予定であるスウェーデン調査の準備をしている。現地の協力者に打診してやり取りをしている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策については、スウェーデン調査の設営を滞りなく行うことが最も必要とされる。現地での調査はスウェーデン語やスウェーデンの文化に精通した通訳およびコーディネーターの協力が不可欠である。これまで代表者が関わってきたスウェーデン調査でつながりのある方の協力が得られれば問題はないが、何かの都合でそれが難しい時にはそれに代わる方を探す必要がある。また本研究には共同研究者がいないため多くの業務を一人で行う必要があり、特に海外調査においては、工夫し計画的に業務を行う必要がある。
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次年度使用額が生じた理由 |
27年度2月に都心部の状況として、新宿区および新宿区内の保育所の調査を予定していたが、年度末であり、調査を行うことが難しかった。そのため予定していた旅費分が残額として残った。
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次年度使用額の使用計画 |
当初予定していた新宿区の調査については、区および保育所から6月以降の調査の確約をもらっている。28年度6月下旬から7月上旬の予定で新宿区と区内の外国人児童が多く入所する保育所を対象とした調査を行う予定である。
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