研究課題/領域番号 |
26381166
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研究機関 | 福島工業高等専門学校 |
研究代表者 |
西口 美津子 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40648911)
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研究分担者 |
渡部 美紀子 宮城学院女子大学, 現代ビジネス学部, 准教授 (30413735)
芥川 一則 福島工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (40310990)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 起業 / 女性 / 履歴書 |
研究実績の概要 |
本年は、研究結果の最終年として、報告書の作成や学会発表、そして、報告書の作成を中心に行った。本研究で行ったヒアリングや、中高年女性へのアンケート調査結果、そして女性のための起業支援セミナーの結果について、「中高年女性の起業化育成に向けた能力コースの検討」として、日本産業教育学会の産業教育研究第47巻第1号(2017年1月発行に)掲載することができた(pp.21-28)。具体的には、東日本大震災の被災地でもある福島県で行ったニーズ調査を基に検討、実施した女性を対象にした中高年女性の起業準備のための能力開発コースについて報告をおこなった。「自己分析」、「地域理解」、「経営知識の習得」、「ネットワーキング」からなるフレームワークを開発後、実際に2つのセミナーを実施、評価すると共に、3つの課題として、新たな起業支援の仕組み作りの必要性、魅力的なカリキュラムの継続的な開発、そして、早期教育段階での起業についての啓発の必要性を提起した。 また、マトリックス履歴書を用いた起業家の成功要因等の分析をIEVC2017(ベトナム、ダナン)で発表を行った。研究代表者らの勤務する高専の生んだゲームクリエーターに焦点を当て、マトリックス履歴書を用いて分析することで、高専が起業にどのように貢献したのかを示唆した。 さらに、本研究の集大成とも言える「女性のための起業マニュアル―未来は自分で切り開く!」(全161ページ)を2017年4月1日に出版した。本研究に携わった4名の研究者全員が分担し、6章からなる自己分析や起業のフレームワークやビジネスプラン、事例等を示した包括的なマニュアルであり、起業を考える女性を中心に活用が期待できるものとなっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度は、研究代表者が副校長(学生担当)としての校務に追われ、学会発表等、当初予定したとおりに行えなかった。しかしながら、日本産業教育学会に実践研究として論文を報告できたこと、そして、当初の計画通りとはいえ、年度末直前に「女性のための起業マニュアル-未来は自分で切り開く!」を完成できたことは大きな収穫だった。とりわけ、後者は、今後起業を考える女性にとっては有益な資料となると考え、高専や女子大の授業での活用も計画している。
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今後の研究の推進方策 |
完成した「女性のための起業マニュアル-未来は自分で切り開く!」を授業やセミナーで活用すると共に、昨年度に十分に行うことができなかった国内外の発表を行う予定である。それにより、研究の成果を広く社会に還元できると考える。具体的には、産業教育学会等で、マニュアル策定の経緯や内容などを紹介すると共に、より広く有効活用法を探って行きたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の成果の一つとして「女性のための起業マニュアル-未来は自分で切り開く!」の制作があり、平成29年3月中に161ページのマニュアルが完成していたが、外部に校正、印刷を依頼したために年度内の納入に不安があったこと、また、同マニュアルを用いた国内外の学会発表を考えていたことから、次年度への繰り越しの必要性が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
「女性のための起業マニュアル-未来は自分で切り開く!」は、平成29年4月1日付で発行となったため、同マニュアルを活用した国際研究発表を平成29年10月22日~24日にAASVET(アジア職業教育訓練学会、於ソウル大学)で行うことを計画中である。
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