本研究は、高校生の学習離れについて「高校教員側」に着目しながら検討を加えるものである。具体的には、定期考査が機能していなくなっているため、生徒が学習に向かわないのではないか。教育産業の学校現場への進出が教師の力量形成に望ましくない影響を与えているのではないかといった問いを設定し、検証を試みた。 「高校教員」と「高校生の保護者」に対して質問紙調査を実施したが、分析からは、1)定期考査の悩ましさは中堅校で顕在化すること、2)関連して教科指導に対する保護者からの疑問も中堅校で目立ち始めるという結果が得られた。以上は、とくに中堅校における学習離れが顕著だというこれまでの指摘とリンクするものだといえる。
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