平成26年度から平成28年度までの3年間の計画において、平成28年度は最終年度として研究成果をまとめることができた。当初の「研究目的」であった子ども達が抱く図画工作・美術に対する実態について調査することで現状を明らかにすると共にその調査の結果から、子ども達が抱く苦手意識の原因と理由とを考察することができた。さらにそこから探求してきた苦手意識を抱かせない要素から、具体的な教育コンテンツを実際の授業で検証することができた。 「研究実施計画」の3年次においては、子ども達の苦手意識をつくらせない要素と共に具体的な教育コンテンツを研究し開発することであったが、実際の授業で検証することで有効な教育コンテンツのいくつかを研究開発することができた。 3年間の研究を経て「新たな研究課題」としては、効果的な要素と共に教育コンテンツのいくつかを開発することができたが、義務教育段階における小学生の児童や中学生の生徒たちを対象にした具体的な検証にまで残念ながら至らなかった。そしてこの教育コンテンツの研究と開発を進めていく中で、コンテンツという内容面だけではなくそれを実際に子ども達に提供するという教育方法面の課題が浮上してきた。いくら有効な教育コンテンツが存在していたとしても、それをいかに子ども達に提供していくかによって教育的な効果は大きく異なるからである。この新たな研究課題は、今後の研究によって継続して探求していきたい。 3年間の研究成果については第55回大学美術教育学会北海道大会において、発表主題「図画工作・美術への苦手意識をつくらない教育の研究ー小学校教員養成課程における教育コンテンツー」として発表を行うことができた。 また3年間の研究成果を「子ども達に〔苦手意識〕を抱かせない図画工作・美術における教育コンテンツの研究・開発」として研究成果報告書(全102頁)にまとめて、発行することができた。
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