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2014 年度 実施状況報告書

中学校高校数学における動的データ探索ソフトによるコンテンツの開発と効果

研究課題

研究課題/領域番号 26381174
研究機関茨城大学

研究代表者

小口 祐一  茨城大学, 教育学部, 教授 (70405877)

研究分担者 藤井 良宜  宮崎大学, 教育文化学部, 教授 (10218985)
青山 和裕  愛知教育大学, 教育学部, 准教授 (10400657)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2018-03-31
キーワード教育学 / 学校数学 / 統計的思考力 / コンテンツ開発
研究実績の概要

平成26年度の目的は,統計教育に関する先行研究や国内・国外の数学教科書の文献を調査し,中学生・高校生を対象にした「動的データ探索ソフト」によるコンテンツを開発することであった。主な研究実績は,次のとおりである。
統計の指導教材の整理:国内・国外の数学教育関連書で取り上げられている統計の指導教材などについて,動的なデータを分析する必要性が高いものを抽出して整理した。特に,米国数学教師協議会による「データ解析の道標」(NCTM,2009)で利用された統計の指導教材を整理した。また,国内の高校数学教科書で利用されている統計の指導教材を整理した。
コンテンツ開発対象の内容の特定:中学校・高等学校の学習指導要領に基づいて,コンテンツ開発対象の内容を特定した。まず,コンテンツ開発対象の内容の特定に向けて,2次元表を作成した。一方の軸には,学習指導要領における統計の内容の軸を設定した。もう一方の軸には,利用されるデータについて,静的データ・動的データで区分する軸を設定した。そして,中学校数学で動的データを利用する代表的なコンテンツとして「標本抽出」(単純無作為抽出,層化抽出,クラスター化抽出),高校数学で動的データを利用する代表的なコンテンツとして「標本平均の分布」(標本の大きさと標本標準偏差との関係)を開発対象の内容とした。
「動的データ探索ソフト」によるコンテンツの開発:学習指導要領における統計の内容に対応させて,「動的データ探索ソフト」によるコンテンツを開発した。そして,それぞれのコンテンツを授業で活用できるように,授業における発問系列を作成した。その際,「動的データ探索ソフト」として「Fathom」(ファズム)を利用した。また,コンテンツの開発とともに,中学校・高等学校数学における統計の内容の系統性を明確にし,評価問題作成のための準備をすすめた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の目的は,中学校・高等学校数学において利用可能な「動的データ探索ソフト」によるコンテンツを開発し,実験授業を通して生徒の統計的思考力の発達を検証して,コンテンツの効果を明らかにすることである。平成26年度は,「動的データ探索ソフト」によるコンテンツの開発を推進した。平成27年度以降は,評価問題の開発を推進する。そして,研究協力者の中学校・高等学校などで実験授業を実施し,開発されたコンテンツの効果を検証する。これらの研究から得られた成果に基づいて,「動的データ探索ソフト」による授業モデルを公開し,コンテンツの教育的利用を促進する。現在までの達成度は,次のとおりである。
「動的データ探索ソフト」によるコンテンツの開発:動的データを利用する代表的なコンテンツとして「標本抽出」(単純無作為抽出,層化抽出,クラスター化抽出)と,「標本平均の分布」(標本の大きさと標本標準偏差との関係)を開発した。これら2つのコンテンツについて,授業における発問系列を作成し,実験授業の準備をすすめることができた。一方,まだコンテンツの開発数が十分でなく,今後さらなる開発を企図している。
統計的思考力の評価問題の作成:中学校・高等学校数学における統計の内容の系統性を明確にし,評価問題作成のための準備を先行的にすすめることができた。

今後の研究の推進方策

平成27年度の目的は,「ARTIST」研究プロジェクトや統計検定の問題を調査し,わが国の学校数学カリキュラムの内容と照合して,中学生・高校生を対象にした統計的思考力の評価問題を作成することである。具体的な研究の推進方策は,次のとおりである。
統計検定の問題の分類:中学校・高等学校数学における統計の内容に基づいて,統計検定の問題を分類する。
「ARTIST」研究プロジェクトの問題の翻訳と分類:中学校・高等学校における統計の内容に基づいて,「ARTIST」研究プロジェクトの問題を分類する。
統計的思考力の評価問題の作成:学習指導要領における統計の内容に対応させて,統計的思考力を評価するための問題を作成する。
これらの研究から得られた成果に基づいて,実験授業を実施し,開発されたコンテンツの効果を検証する予定である。

次年度使用額が生じた理由

学会発表の際に研究打ち合わせを行い,資料の複写費,通信費,会議費を使用しなかったため,次年度使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

統計的思考力を評価するための問題を作成し,生徒を対象にした調査結果を分析するため,統計解析ソフトとテキスト解析ソフトの購入,および分析用コンピュータの購入などに使用する計画である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うちオープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 標本比率の散らばりに関する学習者の誤判断2014

    • 著者名/発表者名
      小口祐一
    • 雑誌名

      茨城大学教育学部紀要

      巻: 増刊 ページ: 29-46

    • オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 統計の系統的カリキュラムの構想と実践的アプローチ2014

    • 著者名/発表者名
      小口祐一
    • 学会等名
      日本科学教育学会第38回年会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-15
  • [学会発表] 統計的探究プロセスを取り入れた授業実践について2014

    • 著者名/発表者名
      青山和裕
    • 学会等名
      日本科学教育学会第38回年会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-15
  • [学会発表] 統計的内容と問題解決のプロセスの系統性2014

    • 著者名/発表者名
      藤井良宜
    • 学会等名
      日本科学教育学会第38回年会
    • 発表場所
      埼玉大学
    • 年月日
      2014-09-13 – 2014-09-15

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公開日: 2016-05-27  

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