本研究は、4年間の研究期間を通して、概ね次のことを解明した。①アジア・太平洋戦争の時代における日本の総力戦体制化は、膨大な数のノンエリートの働く若者たちに対して、世界と対峙する帝国日本を強く意識させながら、プロジェクト活動に近い問題解決活動の推進者に育成するという、国民教育の新たな要素を構築したこと、②この問題解決活動は、主に、身近な労働現場の改善を中心として、公共的課題を解決するための汎用的技術開発などをめざすものであったこと、③その意味で日本の総力戦体制化は、大衆の技術開発者化を推進したと言えることである。
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