研究課題/領域番号 |
26381189
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
服部 一秀 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (60238029)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | メタヒストリー / 歴史文化 / 社会の中の歴史 / 歴史実践 / 歴史教育 / 歴史授業 / 歴史マンガ / 紙幣 |
研究実績の概要 |
本研究は、現代社会における「歴史の文化」の探究力を育成する歴史教育の在り方を理論的・実践的に究明することを目的とするものである。前半部(平成26~28年度)では、外国における先行事例の調査・分析を行い、後半部(平成29~30年度)では、その成果を活かして授業開発を行うこととしている。後半部の1年目にあたる平成29年度においては、(1)これまでの研究につづき、社会のなかの歴史に関するメタヒストリー学習についての基礎的考察をすすめるとともに、(2)それらに基づき、メタヒストリー学習の授業開発に取り組んだ。 (1)について: 昨年度の学会発表を踏まえ、社会のなかの歴史に関するメタヒストリー学習にとっての「比較」の意味について再検討し、その成果を論文「メタヒストリー学習にとっての比較の意味」としてまとめた。 (2)について: 今年度は、山梨県内の現職教員らの協力を得て4授業の開発を行った。中学校歴史学習の終結単元における紙幣の取り扱い(「紙幣の図柄が表すもの」)、「身近な地域の歴史」における銅像等の取り扱い、また、小学校歴史学習の終結単元における紙幣の取り扱い(「お札の顔の昔と今」)、安土桃山時代単元における歴史マンガの取り扱いについて検討し、それぞれの授業開発を行った。それらについて社会科教育関係学会の研究大会において発表するとともに、紙幣を取り扱う終結単元に関する論文「身のまわりの歴史に関するメタヒストリー学習としての終結単元」、及び、マンガを取り扱う安土桃山時代単元に関する論文「小学校歴史授業における語りとしての歴史マンガの取り扱い」を発表した。また、「お札の顔の昔と今」をもとに、山梨県内の小学校において授業を計画・実践し、分析評価・改善を行い、社会科教育関係学会の研究大会において発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
「歴史の文化」の探究力を育成するためのプランの開発のため、前半部(平成26~28年度)においては、授業とカリキュラムの両レベルについて、外国事例の分析を踏まえて基礎的考察をすすめ、後半部の1年目にあたる平成29年度においては、これまでの成果を活かして、4授業の開発を行うことができた。中学校の場合における授業開発に加え、小学校の場合における授業開発もすすめることができた。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は本研究の最終年にあたり、日本の歴史教育において「歴史の文化」について取り扱うプランの開発研究を現職教員らの協力を得ながら進める方針である。なお、そのための基礎的考察も継続していく予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究計画に基づいて今年度の研究を遂行することができたが、購入を予定していた書籍の発行が遅れたために次年度使用額9373円が生じた。次年度使用額9373円を予定していた書籍の購入にあてることとし、次年度の研究を計画通りにすすめる。
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