研究課題/領域番号 |
26381195
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研究機関 | 愛知教育大学 |
研究代表者 |
丹藤 博文 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (70523380)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 物語論 / 語り / フランス国語教科書 / 指導過程 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、物語論・語り論について、文芸批評理論ばかりでなく、哲学・歴史学・社会学・臨床心理学・教育学にまで視野を広げ、どのように考えられ扱われているのかを明らかにした。平成27年度は物語論・語り論の知的状況をふまえつつ、義務教育の国語の授業において、語りをどのように展開すべきかをフランスの中学校(コレージュ)の教科書を入手し検討した。物語論・語り論の先進国であるフランスでは、入門的なレベルから文学研究に近いレベルまで多様であることがわかった。バカロレア(大学入学資格試験)への対応もあって、客観的に分析し言語として表現することが求められており、大学入試が改革の俎上に載っている日本の高等教育にも資する部分が多い。実際、物語分析や語りがどう授業で扱われているかについて、東京にあるフランス人学校の中学校と高等学校のフランス語の授業を参観することができた。授業自体は、コレージュでは文法、リセでは不条理劇についてのプレゼンテーションであったが、分析を徹底するというフランスの国語授業の特質に具体的に触れることができた。また、物語分析については、授業者にインタビューすることができ、理解を深めることができた。また、フランスに赴き、日本では入手困難な文献や資料を購入・コピーしてきた。現在翻訳中であり、今後の研究に取り入れていく予定である。日本の国語の授業で、語りの指導過程を構築するうえで有益であった。その成果を学会発表を行い、指導過程として提案するとともに、論文・著書(分担執筆)として発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中学校の国語の授業を想定した語りの指導過程についてモデルを構築できた。また、その指導モデルを学会において発表したり、小学校・中学校において実際に語りを問題とする授業を行ってもらい研究できた。
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今後の研究の推進方策 |
国語の授業において語りを読むための指導過程にまで踏み込んで提案したが、それは必要十分なものでなく、今後とも改良されなければならない。授業実践するうえでの課題もある。そこで、義務教育において実際の授業で実践的な可能性や課題を明らかにしていくことで、より汎用性の高いものにしていきたい。また、指導上のことばかりでなく、なぜ語りが重要なのか、語りとは何か、授業でどう扱うかといった研究全体のまとめとして報告書を作成し、国語教育界に発信していくことが最終年度の目標である。
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次年度使用額が生じた理由 |
フランス渡航にかかわる予算について、円とユーロのレートの変動により予定額とのずれが生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
研究成果の報告書作成、学会旅費、授業者への謝金を予定している。
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