研究実績の概要 |
「課題1 美術教育における「あそび」概念の整理・構築」「課題2 課題1に基づく<図画工作・美術科>題材及び授業モデル開発」「課題3 美術教師教育プログラムへの展開」の3課題を設定して研究を行った。平成26(2014)年度は,この3課題の基盤作りを行った上で,課題1,課題2を中心に進めた。課題1については,平成25(2013)年12月に開催した<美術教育における「遊び」概念と指導>シンポジウム(第36回美術科教育学会 奈良大会プレ学会)『記録集』を刊行し,「遊び」概念の整理,考察を行い,大学紀要に発表した。また「あそび」の構造を活用している現役教師に対する面接調査とその教師が実践している授業観察を行い,<内発的な動機づけを活かした実践>と<アート概念の拡散現象から導きだされた実践>の枠組みとその中で,子どもが行う「試行錯誤,ゆらぎ思考,領域横断的な思考」などの造形的な学びを明示し,平成27(2015)年3月の第37回美術科教育学会 上越大会で口頭発表した。 さらに,現代アートと教育実践との繋がりについて,国内外の文献研究を行い,現代アートの原理と教育原理の共通基盤について考察した。これに関連しては,海外の動向について平成26(2014)年7月のInSEA国際美術教育学会世界会議(豪州メルボルン)を利用して,情報・意見交換し,今後の考察の基盤づくりをした。 課題2に関しては,代表者が整理した課題1の内容について,小中高教員である研究協力者と意見交換の上,<単元・題材>並びに授業モデルを開発し,研究協力者の勤務校で,その実践・検証を行う基盤作成を行った(課題2)。このうち,「造形遊び」を活かした描画活動,妖怪や幽霊などの形態を表現に連鎖させる「鑑賞あそび」などの<単元・題材>及び授業モデル開発を中心に進めた。これについては,上記のInSEA国際美術教育学会 世界会議で発表した。
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