本年度は、「1.新学習指導要領に示された特別支援学校(知的障害)と小中学校の音楽科指導内容の関係性に関する検討(継続)」、「2.小中学校における交流及び共同学習の実態調査」、「3.特別支援学校(知的障害)音楽科指導内容指標の作成」、「4.インクルーシブ教育システム構築に向けた音楽科指導事例集案の作成」を行った。 「1」については、新学習指導要領の解説に示された記述を分析し、特別支援学校(知的障害)と小中学校の音楽科指導内容の関係性を整理した。 「2」については、ある地域の小中学校教員を対象に質問紙調査を行い、交流及び共同学習における教員間の連携の実態、音楽の交流及び共同学習に関する課題を整理した。 「3」については、上記「1」「2」における検討結果と特別支援学校における指標案の活用結果を踏まえて、現行の学習指導要領に対応した「特別支援学校(知的障害)音楽科指導内容指標」を作成した。この指導内容指標は、学習指導要領に概括的に示された特別支援学校(知的障害)音楽科の内容を細分化して項目立てし、乳幼児期から児童期にかけての音楽的発達の流れ(小学校音楽科などにおける指導内容)との関連性がわかるように示したものである。 「4」については、「3」で作成した指導内容指標にもとづいた、特別支援学校(知的障害)や小中学校(交流及び共同学習)における音楽に関わる指導の例をまとめ、指導事例集案として提案した。
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