研究課題/領域番号 |
26381224
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研究機関 | 文教大学 |
研究代表者 |
久保村 里正 文教大学, 教育学部, 准教授 (80320951)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 図画工作科教育 / 美術科教育 / 共通事項 / 基礎造形 / 造形要素 / ディジタルアーカイブ |
研究実績の概要 |
本年度は、以下の5点について研究を進めた。 ① 日本における基礎造形教育の歴史と現状について、学習指導要領の変遷を中心に分析を行い、日本における高等専門教育としての基礎造形教育の成立と、図画工作科および美術科への波及について調査を進めた。また〔共通事項〕に関連した小学校図画工作科および中学校美術科の指導案などの資料の収集・分析を行った。 ② 〔共通事項〕の教育に関する現状調査について、〔共通事項〕に関連した研究授業の参観と研究討議の参加を行った。また〔共通事項〕教育の現状に関する質問紙法のアンケートのフォーマットを検討・作成し、調査の準備を進めた。実際のアンケート調査については、平成27年度に実施する予定である。 ③ 基礎造形教育法の検討と再構築について、先行研究である「表現志向に考慮した造形メソッドの開発と、ディジタルアーカイブを用いた 教育及び評価」で開発した基礎造形教育法の再検討を行い、〔共通事項〕の標準的指導法に共通して利用可能な項目の精選を進めた。 ④ 作品データの収集と整理について、作品を収集すると共に、必要に応じて課題作品の制作を行った。また作品に関しては、ディジタルアーカイブでの利用が可能となる様にディジタルデータ化を図り、記録・保存を行った。 ⑤ ディジタルアーカイブの検討については、先行研究である「基礎造形教育法におけるディジタルアーカイブの利用と効果」において作成したディジタルアーカイブの改良を進めると共に、共通事項の標準的指導での利用についてインデックス・構造などの検討を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
共通事項に関するアンケート調査については、アンケート先との時期の調整のため、アンケートのフォーマットの検討・作成に留まっており、実施には至っていないものの、日本における基礎造形教育の歴史と現状に関する研究、基礎造形教育法の検討と再構築に関する研究、作品データの収集と整理、ディジタルアーカイブの検討に関しては、現在まで研究計画通り、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進の計画については、以下の通りである。 ① 〔共通事項〕教育の現状に関するアンケート調査を実施し、必要に応じて教員に対する〔共通事項〕について、個別の聞き取り調査を実施する。また〔共通事項〕 に関する研究授業の参観と研究討議の参加に関しては、継続して実施し、〔共通事項〕に関する教育の事例研究を進める。 ② 基礎造形教育法の検討と再構築として、〔共通事項〕の標準的指導法」として不足している内容を補完し、模擬授業の指導案を作成する。 ③ 作成した指導案を元に、大学内で学生による模擬授業を実施する。そして授業後にはアンケートを実施し、そこで明らかになった課題を、次年度の研究授業へフィードバックさせる。 ④ 作品のデータ収集と整理に関しては、引き続き実施する計画である。また並行してディジタルアーカイブの試作も進め、ディジタルデータ化が済んだものから順次、アーカイブへ登録を行う。 ⑤ 試作したディジタルアーカイブの試験運用を行い、その評価・考察を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度に係る未使用金は、共通事項に関するアンケート調査に要する費用として予定していたものの、アンケート先との時期の調整のため、年度中での実施には至らなかったことによるものである。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に、共通事項に関するアンケート調査に関する費用として予定している。
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