本研究は、歌唱において等拍の楽曲が「ぴょんこ」リズムになりがちな傾向に着目し、戦後の保育現場で集団指導やしつけを目的として用いられてきた《おやつ》《おべんとう》の曲を中心に、その傾向の実態を明らかにし、かつ要因の一端を探るものである。 研究の過程では、戦後の「生活のうた」の歴史的経緯を明らかにしつつ、リズム変容の点で特徴的な上記の2曲について全国300園弱の保育現場への質問紙調査と幼児の歌唱実態の観察を中心に分析し、楽譜上は等拍で記載されながらも「ぴょんこ」リズムになりがちな傾向の様相と、ピアノ指導がある程度リズム変容に作用していることを明確にした。
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