対外認識育成をはかる外国史教育方法論は、「時間的認識」と「空間的認識」の統一的把握を目指す外国史教育実践を支える教材の多様性、及び学習課題を具体的に認識可能とする学習活動との相互関連を通じて一層効果的になる。 教材としての「歴史地図」は、「時間的認識」の観点から、文化や民族、宗教といった生活の基底を共有する人間活動を対比的に説明する方法としての「時代区分」認識を育成し獲得する材料として有効である。同様に「空間的認識」の観点から、人間活動の基盤を地域や空間の区分を成立させる気候や風土に求める側面と、人間活動の広がり及び空間的拡張への欲望を示す側面へと迫る有効な材料となる。
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