本研究は、課題研究23531217「思春期における造形表現の質的変化をふまえた美術教育の方法論に関する研究」の成果をふまえ、それを発展、深化させたものである。 本研究では、思春期の子どもの造形的な心象表現(描画や彫刻)に見られる停滞の原因は、一般に信じられている批判的な意識の高まりによる自信喪失ではなく、言語の運用能力の発達に伴う造形的な心象表現に対する関心の低下とそれに付随する表現意図の形成の困難にあることを明らかにし、その改善方策を提示した。 また、授業実践を通じて、指導計画及び指導方法に関する改善の視点から、思春期の子どもの造形表現の特質をふまえた美術教育の可能性と課題を明らかにした。
|