本研究では,日本やドイツ語文化圏の民謡や伝統的な行事にみる音楽に関して,新たに調査・収集した資料も含め,自然環境とも関連付けて分析を行い,音楽表現と背景にある気候等との関わりを複数の視点から明らかにした。例えば,日本の冬を挟む季節進行の非対称性と季節感の多彩さ,ドイツ付近の「厳しい冬と夏の戦い」という季節感に対する日々の変動の重要性等,である。そこから教育実践に資するものを精選し,大学で音楽と気候を連携させた学際的な授業を実践した。その上で,小学校,中学校,高校向けの教材化を図り,文化理解のための教科を連携させた学際的な学習の指導方法と,その可能性について具体的な展望を示した。
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