研究課題/領域番号 |
26381238
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研究機関 | 梅花女子大学 |
研究代表者 |
畠山 兆子 梅花女子大学, 公私立大学の部局等, 教授 (50172911)
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研究分担者 |
松山 雅子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (50173927)
羽田 潤 兵庫教育大学, 学校教育研究科(研究院), 准教授 (90509788)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | アニメのゲーム化 / アニメの物語構造 / デンドログラム / 物語受容の枠組み |
研究実績の概要 |
アニメのゲーム化という実態をテクストの構造分析を通して明らかにする。それによって映像として自立した物語の文法と言語芸術として自立した児童文学の語りのあり様を比較することが可能となり、今日の子どもの物語環境の内実と享受の枠組みを明らかにできると考え研究を進めてきた。 視聴者は、ゲーム化されたアニメ番組にどのような物語を期待するのか。ゲームを物語の主要な要素とする番組を取り上げ、物語文脈で解説するゲームのガイドブックのような、メタ・フィクション的物語構造をアニメ番組に見出し、<物語>として享受しているのではないかとの仮説をテクストの構造分析と受け手の反応調査を通して、実証しようとする研究である。 事前調査としてのアニメ番組視聴アンケートと、PAC分析(Personal Attitude Construct, 信州大学内藤哲雄開発)のソフトの活用、具体的には、番組視聴後に行うカードの記入、マトリックス表の作成、調査者によるデンドログラムの作成とそれを使用した個別の面談によるサンプル調査を、関西の3大学で実施した。小学生、中学生、高校生に実施する為の改善策を検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
4月、1週間に放映されていた全てのアニメ縁組の調査を行い、その中からゲームに関わる番組を抽出、視聴。また、これまで放映されていた番組のうち、ゲームに関わる内容を持つ番組のリストを作成し収集、視聴。調査で取り上げる番組を選定。候補作品として、「ポケットモンスター」(1997年~現在)「遊☆戯☆王」(1998年~現在)「カードファイト!! ヴァンガード」(2011年~現在)の他に、「妖怪ウオッチ」(2014~現在)、「ソートアート・オンライン」(2014)、「ログ・ホライズン」(2014)をリストアップ、これらの番組の物語の分析を行い、調査についての可能性を討議した。「遊☆戯☆王」(1998年~現在)と「カードファイト!! ヴァンガード」(2011年~現在)については、研究者がゲームを未体験であったため、大学生に実際にゲームを行ってもらい、その魅力を考察した。 分析方法としては、PAC分析(Personal Attitude Construct, 信州大学内藤哲雄開発)のソフトを入手、活用についての勉強会を実施。 初年度は、大学生におけるサンプル調査を、コンピュターゲームの中に閉じ込められる「ソートアート・オンライン」第1話を使用して、1私立梅花女子大学 2大阪教育大学 3 兵庫教育大学で実施した。事前に実施したアンケート調査と番組視聴後に記入してもらった、マトリックス表でデンドログラムを作成。それを参照して面談を行った。その結果の分析と文章化を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、26年度のサンプル調査を踏まえて、小学生、中学生、高校生、大学での調査の実施を行う。実施校については、小学校、中学校、高等学校については、調査協力者、ならびに学校の協力体制が関わるため、実施時期も含めて現在検討中である。大学生については、調査者が関わる関西の私立共学大学の学生、約100名を対象に、7月に実施する。 使用作品は、中学生、高校生、大学生には、サンプル調査を参考に改善を加えて、「ソートアート・オンライン」第1話を使用して実施する。小学生には、「遊☆戯☆王」を取り上げることで検討に入っている。サンプル調査の結果、マトリックス表とデンドログラムの作成に多くの時間がかかるため、被験者の負担を軽くする方法を、現在検討中である。 平成27年11月7日、8日に、日本児童文学学会が大阪教育大学で開催される。課題研究とメディア部会での発表を予定している。
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