研究課題/領域番号 |
26381250
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
吉田 誠 山形大学, 教育文化学部, 教授 (60449957)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | モラル・アフォーダンス / 生態学的道徳教育 / 人格教育 / 道徳的習慣 |
研究実績の概要 |
本研究は大きく分けて①モラル・アフォーダンスに関する文献研究、②モラル・アフォーダンスの道徳教育教材の開発、③モラル・アフォーダンスの教育方法の実践研究、の三つの部分から成る。 ①モラル・アフォーダンスに関する文献研究については、精神障害を抱えた当事者が自らの問題行動を客観的に研究し、その行動がどのようなものか、どのような状況でどのようなプロセスを経て発生するのか、その行動に対する処方箋は何か、などを明らかにする当事者研究の方法を生態学的観点から捉えた文献を手掛かりに、道徳授業に子ども中心主義的な語りを取り戻す方法がモラル・アフォーダンスの道徳授業が目指す現実主義的な道徳授業につながり得ることを明らかにし、「道徳の時間における『語り』の子ども中心主義的転回-人格成長の共同体構築に向けた当事者研究の観点からの考察」として『山形大学 教職・教育実践研究』第10号にまとめた。 ②モラル・アフォーダンスの道徳教育教材の開発に関しては、山形県の偉人の伝記の教材化に取り組み、菅実秀に関する文献を基に小学校高学年向け教材の草稿を作成した。今後、内容項目やねらいに基づいて内容を焦点化する予定である。 ③モラル・アフォーダンスの教育方法の実践研究については、資料「手品師」を用いたモラル・アフォーダンスの道徳授業の構想と学習指導案を「モラル・アフォーダンス獲得の道徳授業の提案(1)-心理主義的授業と認知主義的授業の課題克服を目指した授業の構想」として『筑波大学道徳教育研究』第16号にまとめた。この指導案に基づいて山形大学附属小学校において授業実践を行い、その成果と分析結果について日本道徳教育学会第84回大会で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献研究については予想以上に幅広い分野をカバーする必要が生じているため今後も継続して行う必要が出てきた。また、教材開発、実践研究についてももう少し継続して小学校での実践に重点を置くことでモラル・アフォーダンス獲得の道徳授業の方法や分析方法の基盤を固める必要があるため。
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今後の研究の推進方策 |
当初は平成27年度より中学校向けの教材開発と授業実践に取り組む予定だったが、まずは小学校向けの教材開発と授業実践に継続的に取り組むことでモラル・アフォーダンス獲得の道徳授業の方法や分析方法の基盤を固めることにしたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
使用額に端数が生じたため。
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次年度使用額の使用計画 |
翌年度分の助成金と合せて消耗品の購入に使用する予定。
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