研究課題/領域番号 |
26381252
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
木村 競 茨城大学, 教育学部, 教授 (70241734)
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研究分担者 |
新井 英靖 茨城大学, 教育学部, 准教授 (30332547)
金丸 隆太 茨城大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (30361281)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | いじめ / 哲学対話教育 / 心理教育プログラム / 特別支援教育 |
研究実績の概要 |
研究2年目の2015年度は、いじめ問題への具体的なアプローチを検討するために、哲学対話教育・心理教育・特別支援教育の3つの分野でそれぞれ研究を進めた。 まず、哲学対話教育といじめ予防に関する研究プロジェクトでは、2014年度に作成した哲学リテラシー育成プログラムを改訂した。具体的には、このプログラムの目的を確認して、理論的な再検討を行ったうえで哲学的対話を教育実践に取り入れている小学校教員4名の参加を得て研究会を行い、より実践しやすく、かつ実践の成果をフィードバックして改善しやすい「哲学リテラシー育成プログラム暫定案」を作成した。 また、心理教育プログラムの開発研究では、地域の教育委員会等と連携し、地域の学校でいじめ予防につながる授業を実施しながら、教材開発を行った。教育現場で実践したのち、教員や子どもたちからの感想などをもとに、いじめ予防に関する心理教育プログラムの開発に着手した。具体的には,公立小学校と公立中学校を対象に,タブレットを用いてインタラクティブに児童生徒とやりとりをしながら,いじめについて当事者性を持って考えられる授業を実践した。 さらに、特別支援教育といじめ予防に関する研究調査では、英国の自閉症児を中心にいじめにあいやすい傾向があることや、そうした子どもたちをいじめから守るために、登下校や休み時間を含めて、小・中学校の教師がどのように児童生徒を保護し、他の子どもたちに生徒指導しているのかという点を調査し、論文を執筆した。 以上の取り組みは、いじめを予防するために不可欠な学級づくりの基盤となるものであり、これらの研究成果を総合することで、学校や学級全体で取り組むいじめ予防教育プログラムを編集することができると考えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究2年目の2015年度は、いじめ問題への具体的なアプローチを検討するために、哲学対話教育・心理教育・特別支援教育の3つの分野でそれぞれ研究開発を実施した。それぞれの分野で現場の教員と実践開発を行ったり、いじめ予防プログラムの実際について実践および調査研究がすすめられ、先駆的な成果が出ており、最終年度にまとめる基盤ができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究3年目の2016年度は、哲学対話教育・心理教育・特別支援教育の3つの分野でそれぞれ研究開発した内容を1冊の冊子にまとめて実践現場に研究成果を還元する。そのために、それぞれの研究成果をもちより、協議を重ね、体系的な研究成果報告書となるように推進したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度に哲学対話教育・心理教育プログラム・特別支援教育といじめ予防の取り組みに関して、まとまった研究報告書を作成することができる見通しになり、当初、予定していた印刷費よりも多く経費がかかる可能性が生じたので、研究経費を繰越すこととした。また、海外に2015年度末から出張したが、帰国日が2016年度となったため、次年度に出張旅費を清算することになったので、基金の一部を繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
哲学対話教育・心理教育プログラム・特別支援教育といじめ予防の取り組みに関する研究報告書の印刷・製本の経費および、2年目に出張し、最終年度に帰国した外国出張の旅費として資料する予定である。
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