研究課題/領域番号 |
26381253
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
川原 誠司 宇都宮大学, 教育学部, 准教授 (80302438)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神的弾力性 / レジリエンス / 児童期中期 |
研究実績の概要 |
精神的弾力性の研究について、継続しているものを進展させ、学会発表1件(日本学校メンタルヘルス学会第18回大会;2015年1月発表)ならびに学会発表手続1件(日本教育心理学会第57回総会;2015年8月発表予定)を行った。これらの発表(発表準備)の中で、児童期中期の大人からの精神的弾力性に資する働きかけ(回想による)と大学生の現在の精神的弾力性との間に有意な相関が見られ、児童期中期の精神的弾力性の育て方についてさらに検討を進めていく重要性が示唆された。 また、精神的弾力性の文献について、和雑誌、和図書、洋雑誌、洋図書から幅広く収集し、講読・検討することができた。特に、洋図書について研究費支援により20冊ほどの新規図書を充実させることができた。これらの専門論文や専門図書以外にも精神的弾力性へ示唆される情報を収集した。 実践活動との関連では、不登校に関する親の会の中で児童期中期の精神的弾力性につながる(資する)知見を様々に収集できた(実践活動に関する記事はhttp://www.yomiuri.co.jp/local/tochigi/feature/CO013131/20150126-OYTAT50000.html)。 学校教員を対象とした面接調査については、面接手順等を検討し、設定した。 以上のような研究進捗や研究内容、各種情報について、公開のホームページを設けて、周知に努めた(http://danryoku.exblog.jp/)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
文献等の収集は順調であったが、本務校でのカウンセリングルーム等の移動作業に予定外の時間をとられてしまい、文献の講読・検討の時間が十分にとれたとは言い難い。 また、学校教員を対象とした面接(聴き取り)調査について、面接案までは構造化したが、昨年度末に研究者自身が怪我をしてしまい、移動がかなり困難となってしまった。児童の春季休業中に学校教員に依頼し(時間調整して)実施していく予定であったが、実施できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度予定・実施していた文献検討をさらに進める。現状では、洋雑誌文献が比較的少ないので、その点にも留意しながらさらに収集していく。昨年度末に計画していた学校教員への面接(聴き取り)調査についても、時間調整しながら教員が可能な日時で実施していく。 継続している研究について新規の発表を行いながら、上記の文献レビューや面接調査においても論文等で発表できるようにする。 さらに、上記のレビューや面接調査をもとに、可能ならば学校現場等での参加観察も行いながら、児童期中期の精神的弾力性に関する質問紙調査を作成し、倫理面等に配慮しながら年度内に実施する。 また、さらに児童期中期の精神的弾力性の重要性について、専門家や実践家の知見を収集できるよう、学会でのシンポジウムなどの企画を準備する。 以上の諸活動をホームページなどで報告して周知していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献収集についてさらに進めて行く必要があったことと、面接調査が実施できなかったためにその旅費等が持ち越しになってしまったこと。それにまつわる備品・消耗品が未購入であることが大きな要因である。
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度より持ち越している文献収集や面接調査の実施を速やかに行っていく(物品費や旅費)。それらの知見について可能な学会発表を行う(物品費や旅費)。本年度は、それらからの知見を基に、加えて可能ならば参加観察等を行いながら(旅費)、児童期中期の子どもを対象に質問紙調査を行う(物品費やその他)。質問紙の分析にあたってはデータ入力が必要になるので依頼し(謝金)、統計ソフト等で分析していく(その他)。また、シンポジウム等を開く場合には、その招聘のためにも使用する(謝金や旅費)。 以上の研究成果をホームページ等で公開する(その他)。
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備考 |
最初のものは、科研費研究の報告のために研究者自身が新設したホームページである。次のものは、研究者が大学で実践している活動について新聞社が取材した記事である。
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