研究課題/領域番号 |
26381262
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松本 金矢 三重大学, 教育学部, 教授 (10239098)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 教材開発 / PBL教育 / 最適設計 |
研究実績の概要 |
本年度は、昨年度開発した遺伝的アルゴリズムを適用した打楽器について、日本産業技術教育学会審査論文としてまとめ上げることができた。審査の過程において、当初は実践研究であるとされていたが、開発した楽器と活動実践との関係、解析的ならびに実験的な手法による楽器の改善のプロセスが認められ、一般研究論文として論文集に掲載された。 開発した楽器の形状が細くなり打撃に適さないことから、感度解析を利用した板厚を最適化する手法を提案し、新たな形状最適化プログラムを開発して、基音と高音成分を整数比化した5音音階の楽器を製作した。昨年度開発した楽器が曲げ振動の最適化だけであったのに対して、本年度開発したものは、曲げに加えてねじり振動も含めた整数比化に成功した。この過程を日本産業技術教育学会東海支部大会で発表した。また、手作り楽器の製作過程に関する内容を、日本感性工学会で発表した。 さらに、これらの最適設計手法を学ぶためのPBL教材を開発するために、小型CNCフライス盤を導入して設計から製作に至る手順を整備し、技術教員養成の課程認定科目「機械工学実験実習」に組み込むための準備を行った。 これらの内容は学会発表するだけでなく、現職教員を対象とした免許更新講習「設計工学」や三重CST養成講座「生活の中の科学」において実践し、最適設計手法の概念を学校現場での教育に取り入れる試みを行った。特に、遺伝的アルゴリズムに関する演示教材については、理科で学ぶ原理や法則などが直接的に日常生活に役立てられる例としての異議が高いという評価を得た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
最適設計を利用した楽器開発では、遺伝的アルゴリズムを利用した形状最適化を計画していたが、実践者からの指摘を受けて、感度解析を利用した板厚最適化プログラムを開発し、新たな楽器に製作にも成功しているからである。これにより、曲げ振動だけでなく、ねじり振動も考慮した高音成分の整数比化を実現した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度までの成果をPBL教材としてまとめ、学校現場で実践できる教材を開発する。特に、解析結果や実験結果など、学校現場で提示しにくい内容をコンテンツ化し、電子黒板などのICT機器を活用した教材の開発を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
日本感性工学会での発表が、年度末であったため、概算旅費に合わせて支出を控えたため、2万円弱の残額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度の備品、旅費に支出する予定である。
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