研究課題/領域番号 |
26381266
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研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
小島 律子 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (20116156)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 郷土の伝統芸能 / お囃子 / 学校音楽教育 / 指導内容モデル / 多媒体パフォーマンス / 地域連携教育 |
研究実績の概要 |
日本伝統文化の学習を学校教育に導入するために、音楽科の地域教材である「郷土の伝統音楽」の学習プログラムを、学校と地域が協働して開発することを目的とするものである。1年目では大阪の郷土の伝統音楽である天神囃子と布団太鼓について教材化を行ない、小学校において研究授業を実践した。天神囃子は大阪の北部の天満宮の祭で奉納される芸能の一つである。布団太鼓は大阪の南部の堺の中百舌鳥町布団太鼓である。収穫を祝い自然に感謝するという神輿である。 研究方法は、まず文献により祭の概要を把握し、つぎに芸能の継承者を訪ね、インタビューにより実地の状況、継承の方法等について聞き取りをし、太鼓やうたについて指導を受けた。その材料を検討して授業デザインを行い、大阪教育大学附属小学校で実践し、授業分析を行った。 1年目の成果としては、天神囃子と布団太鼓の学習プログラムを開発し、郷土の伝統音楽の指導内容モデルを導き出した。芸術的、古典的な日本の伝統音楽には顕著にはみられない、郷土の伝統音楽の固有の特性である「郷土性」に着目し、郷土の伝統音楽の「郷土性」をふまえた教材化を行うための指導内容モデルである。それは芸能を、第1層「人と地域と音楽」における【生活経験の時空間】、第2層「多媒体によるパフォーマンス」における【基層的リズム】、第3層「音楽の仕組みと技能」における【即興性】の3層で捉える。この指導内容モデルに基づき、次の教材化を進め、実践検証を行っていくことが次年度の研究となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実際に天神囃子と布団太鼓という大阪の北部と南部の代表的なお囃子を教材化し、音楽授業として実践できたこと、その実践を授業分析の手法で検討し、「郷土性」をふまえた指導内容モデルを導出できたことから、主幹となる内容はできたと評価できる。しかし、地域との連携の形式は模索状態であり、これから形式化していくことになる。
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今後の研究の推進方策 |
26年度の研究実践の内容を、地域のどの学校でも実践可能なデジタルコンテンツにすること、ワークショップを含む地域の連携の形式やプログラムを作成すること、日本で郷土の伝統音楽を学校にカリキュラムとして導入している学校の訪問調査を行い、学習プログラム開発の参考とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
地域継承者にワークショップを依頼する予定であったが、企画できなかった。
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次年度使用額の使用計画 |
地域継承者にワークショップを依頼する。
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