研究課題/領域番号 |
26381271
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
毛利 猛 香川大学, 教育学部, 教授 (50219961)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ペア学年 / 異年齢集団による交流 / 縦割り班 / 特別活動 |
研究実績の概要 |
1.小学校における「縦割り班」活動とペア学年・兄弟学級の活動などの「異年齢集団による交流」の現状と、リーダーとなる上級生の側から見た教育的意義について簡潔にまとめて、『小六教育技術』(2014年10月号)「特集 六年生一人ひとりが全校をリードする異年齢集団による交流の現状と意義」の巻頭論文(4~7頁)として公表した。 2.香川県下の2つの小学校の取り組み(高松市立国分寺北部小学校のペア学年による活動、宇多津町立宇多津北小学校における「縦割り班」活動とペア学年の活動を組み合わせた実践)について研究取材を行い、その実践を『小六教育技術』(2014年10月号)で紹介した(10~13頁)。 3.姫路市内の5つの公立小学校において「異年齢集団による交流」の取り組みに関する担当教員への聞き取り調査を実施した。 4.全国の小学校の約2.5%に当たる579校を対象に、「縦割り班」、ペア学年・兄弟学級、地域ごとの集団などの異年齢集団の編成状況、活動内容と活動頻度(小集会、大集会、当番活動、集団遊び、学校行事、ボランティアなどの異年齢集団での実施頻度)を明らかにするとともに、「異年齢集団による交流」の取り組みに対する担当教員の意識-勤務校の取り組みの現状をどのように評価しているか、成果をあげるための要件として何を重視しているか、さらには「異年齢集団による交流」に取り組む上での「同僚性」「連携する力」および「異年齢集団による交流」の教育的価値と効果をどのように考えているか-を明らかにするための調査を実施した。調査への回答校は326校(回収率56.3%)であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
1.ペア学年・兄弟学級と「縦割り班」というタイプの異なる「異年齢集団による交流」の構造と特質、その教育的意義を解明するための文献研究については、順調に進展している。 2.全国の小学校における「異年齢集団による交流」の取り組みに関する調査ついては、当初の予定よりもやや小規模の調査(全国の小学校の約2.5%に当たる579校を抽出)となったが、予定通り実施できた(回収率56.3%)。 3.香川県下の小学校2校、姫路市内の小学校5校に対して、特色ある「異年齢集団による交流」の取り組みの研究取材を行い、このうち香川県下の小学校2校の実践については、教育雑誌に「事例校の取り組み」として紹介することができた。 4.1~3を総合すると「おおむね順調に進展している」と評価できる。
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今後の研究の推進方策 |
1.「異年齢集団による交流」の取り組みに関する全国調査の結果を早急にまとめる。調査協力校326校に対して「調査結果・速報版」を返送するとともに、平成14年の全国調査との比較による分析を加えて関連学会で発表する。 2.県内外の特色ある「異年齢集団による交流」の取り組みについては、2学年のペアを組み込んだ「縦割り班」を構成し、全体として異年齢交流を活性化させている事例校を中心に、継続的な観察取材と担当教員への聞き取りを行う。 3.「異年齢集団による交流」と子どもの社会性の発達に関する文献をさらに広く精査する。
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次年度使用額が生じた理由 |
全国の小学校における「異年齢集団による交流」の取り組みに関する調査について、当初の予定よりもやや小規模の調査(全国の小学校の約2.5%に当たる579校を抽出)となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
前年度に実施した全国調査の協力校326校に対して「調査結果・速報版」を返送するための費用として使用する。
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