1.小学校における「ペア学年」による活動を中心とする「異年齢集団による交流」の取り組みの現状とその教育的意義、およびいくつかの事例校の実践について『小六教育技術』(2014年10月号)で公表、紹介した。 2.平成26年度に全国の小学校の約2.5%にあたる579校を対象に、「縦割り班」、ペア学年・兄弟学級、地域ごとの集団などの異年齢集団の編成状況、活動内容と活動頻度(小集会、大集会、当番活動、集団遊び、学校行事、ボランティアなどの異年齢集団での実施頻度)を明らかにするとともに、「異年齢集団による交流」の取り組みに対する担当教員の意識-勤務校の取り組みの現状をどのように評価しているか、成果を上げるための要件として何を重視しているか、さらには「異年齢集団による交流」に取り組む上での「同僚性」「連携する力」および異年齢集団活動の教育的価値と効果どのように考えているか―を明らかにするための調査を実施した。 3.平成14年と平成26年に全国の小学校を対象に実施した「異年齢集団による交流」活動に関する調査の比較、および平成16年と平成27年に香川大学生を対象として実施した「思い出のなかの異年齢集団による交流」に関する調査の比較を手がかりに、この10年あまりの小学校をめぐる新しい状況変化のなかで、「縦割り班」活動の取り組みが全国の小学校に普及していった局面からペア学年・兄弟学級の活動が普及しつつある転換期に差しかかっていること、およびそうした「異年齢集団による交流」の動向の背後にあるものを明らかにし、関西教育学会第67回大会において「小学校をめぐる新たな状況下での『異年齢集団による交流』」の研究題目で発表するとともに、1.2.の成果と併せて最終の『研究成果報告書』にまとめた。
|