研究課題/領域番号 |
26381273
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研究機関 | 福岡教育大学 |
研究代表者 |
白石 正人 福岡教育大学, 教育学部, 教授 (70216183)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 技術科 / 修得基準 / 指導能力認定試験 / 授業開発 / 評価規準 |
研究実績の概要 |
教員養成系大学・学部においては、教員として必要な資質・能力を備えた学生を輩出する質の高い教育活動が求められており、その修得した資質・能力を評価するための統一した段階的評価規準として新たに「技術科教員指導能力評価規準(以下、評価規準と略す)」の策定について検討を行った。さらに「技術科教員指導能力認定試験(以下、認定試験と略す)」の試験問題および「大学生授業開発コンテスト」の課題と同規準をリンクさせ、同規準自身の見直し(フィードバック)を図り、「フィードバック型技術科教員指導能力評価・認定システム」を構築するための種々の検討を続けた。 平成27年の実績について、各項目毎の実施概要について述べる。まず、日本産業技術教育学会内の7つの分科会にて策定された技術科教員養成修得基準(以下、修得基準と略す)のさらなる修正・深化を実施し認定試験を実施した。特に情報領域では、H26年度に実施した教育職員採用試験問題との承合・検証に加えて、新たに10の教員養成系大学・学部のカリキュラムおよびシラバスを入手し、各大学カリキュラムにおける修得基準の各項目毎のカバー率を算定した。情報領域においては、大学間の開設科目に大きなバラツキがあること、カバー率もかなりの差があることが明らかとなった。しかしながら、高等学校情報科における科目を加えたところ、いずれも80%を超える項目をカバーしていることも認められた。この承合作業については、妥当性についても検証を行っている。また、タブレット端末を用いた大学生授業開発コンテストの実施方法等についも「集団討論」「模擬授業」の動画を動画サイトにアップロードして、評価項目毎の他者評価を実施した。引き続き、効率的な実施方法について検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は、教員養成系大学・学部を対象として質の高い教育活動を実施するための資質・能力を評価する統一した段階的評価規準とそれに基づいたフィードバック型技術科教員指導能力評価・認定システムの構築を目指した3年の計画であり、2年目となる。初年度は、策定済みの修得基準の評価および見直しを主に採用試験問題と承合することで検証した。本年度は、これに加えて10大学のカリキュラムおよびシラバスと承合し、修得基準の各項目毎のカバー率を算定した。さらに評価規準の策定のための指針を検討する予定であったが、他大学の研究協力者との日程調整が難しく、今年度に実施することとなった。また、大学生版の授業開発コンテストの実施方法および評価方法について詳細を検討することとなった。これらの状況等から目標を100%とした場合の達成状況は50%程度であり、当初の予定より、やや遅れていると自己評価している。
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今後の研究の推進方策 |
評価規準の策定方針を検討し、情報領域について評価基準案を作成した後、日本産業技術教育学会内の各分科会に提案して、学会内での評価規準策定を進める。そのために5月をめどに打ち合わせ会議を行い。早急に策定方針から評価規準案を策定する。また、大学生を対象とした授業開発コンテストの実施方法および評価方法を策定し、試行調査を実施する。昨年度実施した修得基準と各大学カリキュラムとの承合結果については、8月の日本産業技術教育学会全国大会にて発表する予定である。また、その成果については学会誌等に報告したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
評価規準の策定方針を打ち合わせるための会議が、参加者の日程調整が難しく実施できなかったため、当初旅費として準備していた予算を本年度実施としたため繰り越した。
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次年度使用額の使用計画 |
5月にこの打ち合わせ会議を実施する予定であり、そのための旅費として計上する予定である。
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