中華人民共和国の道徳教科書を計18種類体系的に収集した研究で,『品等と生活』『品徳と社会』を中心に,自己肯定感,生命尊重,平和責任の視点から分析した。中国教科書においては,歴史認識と地理認識が政治と共に道徳教育に統合されており,教科書編集意図の子どもによる受け入れが中国共産党の正当性の受け入れになるように設計されている。自己肯定感育成においては,他者からの視点の優位,中国人としての誇りと祖国への奉仕,集団への貢献を通しての評価,成長の記録をつけるポートフォリオ評価などが書き込まれている。愛国心について指導者の意向が直ちに授業に反映され,子どもの意識に反映している様子を連想法により析出した。
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