研究課題/領域番号 |
26381285
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
田沼 茂紀 國學院大學, 公私立大学の部局等, 教授 (50363271)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 道徳授業評価 / 道徳授業評価研究会 / 道徳授業評価観点 / 二次元マトリックス |
研究実績の概要 |
2年次研究の重点は、初年度に行った道徳授業評価の方法論に関する理論的基礎研究の成果を受け「教科道徳」の学習評価モデルを具体的に構築することであった。 初年次研究で理論的基礎研究と並行して推進してきた道徳授業評価研究会の組織化と授業実践事例収集を目的に開催してきた定例研究会での成果を基に、学習者主体の道徳授業における学習評価モデル検討が2年次研究の主要な取り組みとなった。特にその学習評価モデルの検討で重要な役割を果たす「評価観点」について、小学校、中学校といずれの視点からも援用可能な共通設定要件を満たせるような方法論を中心に検討を重ねてきた。 道徳授業評価研究会は2年次終了までに既に5回開催され、学校種や同一校種内での発達特性等の差異も踏まえながら、共通化する学習評価モデルの検討で重要な役割を果たす「評価観点」設定の方法等について重点に検討を重ねてきた。 この道徳授業評価研究会での継続的な取り組みの成果については、日本道徳教育学会第85回大会において、「道徳科の授業評価に関する基礎的研究ー評価観点設定の視点からー」と題して発表された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究進捗状況を裏付ける理由としては、2年次研究開始時点までに道徳授業評価研究を推進するための前提となるわが国の道徳教育の歴史的変遷、その方法論的な取り組みを概観し、研究テーマに迫るための理論的研究を行えていたことが挙げられる。それらを踏まえ、初年次に全国の学校現場で熱心に道徳授業へ取り組んでいる実践家を結集して組織化した道徳授業評価研究会が2年次研究で十分に機能できたことが功を奏している。 しかし、2年次研究において新たに浮上した研究課題も明確になってきている。それは、学習評価観点を設定する上でどこまで共通項を見出せるかという点である。道徳授業評価が学習者個々の道徳的成長に寄与することを目的とするなら、果たして共通する評価観点をどの程度設定できるのかという新たな研究推進上の揺らぎである。この点が今後の課題となろう。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの研究進捗状況でも触れた通り、道徳授業評価が学習者個々の道徳的成長に寄与することを目的とするものであるなら、道徳授業評価モデルという評価観点の共通性を前提とした観点設定がどこまで可能となるのか、この点を道徳授業実践研究会での実践事例等も踏まえながら、より明確化していくことが今後の課題となろう。 本研究も最終年度を迎えるにあたり、研究成果を通しての社会貢献という立場から実践事例を踏まえた仮称『道徳授業評価ハンドブック』を研究報告書としてまとめていきたいと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
2年次研究は道徳授業における学習評価モデルの検討のための実践事例を介した道徳授業評価研究会開催が主な取り組みとなったため、物品費等の支出は生じなかった。また、研究最終年度に本研究の取り組み成果を社会貢献として仮称『道徳授業評価ハンドブック』を研究報告書として取りまとめたいと考えるため、支出は極力抑制した。
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次年度使用額の使用計画 |
本研究の最終年度を迎えるにあたり、これまでの研究の取り組み成果を社会貢献として仮称『道徳授業評価ハンドブック』を研究報告書として取りまとめていく予定である。 また、その成果物は主な教員養成系大学・学部および都道府県教育センター等に献本配布する予定である。そのための経費も見込んでいる。
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