平成28年度は、初年度、次年度に引き続き、「日本の伝統と文化に関する教育」、「伝統舞踊」、「現代のダンス」と、それらの教材に関する研究(国内・国外における文献、研究論文、実践報告、学会等における研究発表資料等)について、資料を追加収集し、その内容について検討を加えた。 その結果、まず指摘されるのは2008年の学習指導要領の改訂による体育科ダンスの必修化の影響であり、初めてダンス指導を行う教師も増えたことから、このような指導経験の浅い教師にとっても取り組みやすいダンス教材に関して再検討する必要があると思われた。そこで、さらに中学生や高校生を対象としたダンス教材に関して、実践研究資料を中心に検討した。 次に、学校教育におけるダンス教材の中で、伝統舞踊の学習指導は、日本の民踊以外は、指導要領の内容として示されていない。そこで、西洋のダンスとは異なる日本の伝統的な身体意識を加味した教材で、大学生を対象に実験的な授業を試みた結果を検討した。参加した学生の感想として、今まで経験したことの無い動きや知らなかった知識等、日本の伝統と文化に関して理解できた等の感想が得られ、実験授業の有用性が示唆された。
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