研究課題
日本の中学校1年生の学校不適応感及び問題行動や不登校の増加等いわゆる「中1ギャップ」が社会問題となっている。小中学校の学習指導要領においても、小中連携及び小中の接続を考慮した道徳教育の重要性が示されている。しかし、中1ギャップの問題については、これまで小中学校間の連携や生徒指導上の問題として取り上げられることが多く、中1ギャップ解消のための具体的な道徳教育プログラムは十分に開発されていない。本研究では、中1ギャップを解消するための道徳教育プログラムを開発し、その有効性を検証する。これらのことを通して、中1ギャップの解消に特化した道徳教育プログラムを開発することが本研究の目的である。本研究では、研究期間全体を通して、ソーシャルスキルトレーニング(以下SST)と思いやりや規範意識を育成する道徳授業を組み合わせたプログラムが中学1年生の対人的適応感の向上に有効であること、SSTの後に思いやりを育成する道徳授業を先に組み合わせる方がより効果的であることを明らかにした。それらの結果をもとに、本研究では、4月用のプログラムを5種類、9月用のプログラムを3種類、合計8種類の道徳教育プログラムを開発することができた。これら複数のプログラムは、学校や生徒の実態に応じて、取捨選択しながら活用できると考える。最終年度(平成29年度)は、平成28年度に国際学会で発表した9月用プログラムの効果に関する研究を論文にまとめ、WCCI(世界教育課程・教育方法学会)の国際学会誌に投稿、採択された。また、最終年度は、研究全体の成果を成果報告書としてまとめ、学校及び関係各所に配付した。
すべて 2017
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Educating for Democratic Governance and Global Citizenship Volrme2, World Council for Curriculum and Instruction
巻: 2 ページ: 165-175