研究課題/領域番号 |
26381297
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研究機関 | 京都光華女子大学短期大学部 |
研究代表者 |
智原 江美 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (90217240)
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研究分担者 |
長谷 美帆(下口美帆) 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (00582165)
田中 慈子 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 講師 (00710378)
鍋島 惠美 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 教授 (70723451)
和田 幸子 京都光華女子大学短期大学部, その他部局等, 准教授 (40596615)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | クロスカリキュラム / 保育者養成 / 「表現」領域 |
研究実績の概要 |
幼稚園教諭・保育士は各種の領域の専門的な知識・技能は言うまでもなく、多領域にわたる総合的な実践力が求められている。従来の保育者養成校のカリキュラムはそのような総合力を養成するのには十分とは言えず、各科目の専門性に重点を置きつつ科目を横断的に連携させたクロスカリキュラムでの活動を実践することが重要である。平成26年度には第1段階として、保育者養成校でのクロスカリキュラムの指導に反映させるために、表現領域での活動に関して保育現場の実態や保育者養成に対する要請を知ることを目的とし、現場での表現活動及び保育者に求められる表現領域の知識・技能・総合的実践力について京都府下の幼稚園・保育所200園を対象にアンケート調査を実施した。 調査結果から保育現場では多様な表現活動が行われており、音楽・身体・言語表現の活動は関連させて実施されることが多いが、造形表現活動は単独で実施されていることが多く他の表現活動との連携が弱いことが分かった。表現活動を実施する際、保育者は幼児の主体的な取り組みや自由な発想を受け止め、「楽しむ」ことに重点を置いていることが明らかになった。また、保育者に求められる資質として多く挙げられたのは豊かな感性であり、子供の内面や姿が見えた時に表現活動の面白さを感じ、子供の発達に即した指導力の重要さが指摘された。養成校学生に求められる資質としても豊かな感性と子どもの理解があがり、芸術や自然に触れる機会を設け、現場体験を充実させることの必要性が指摘された。 養成校学生が総合的な活動に取り組む中で領域の総合性を実感して指導の知識・技能を理論的に習得するとともに保育現場での実践の中での学びを往還させた経験を積むことが重要であるといえる。養成校学生が豊かな感性を習得できるような授業の開発を試み、現場の求める表現活動に生きるクロスカリキュラムの試案を作成し、実践・検討をしていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予想していた以上にアンケート項目の検討、発送準備、および調査票の回収、結果の入力・検討に時間を要したため、第1段階の幼稚園・保育園を対象にした調査しか実施できていない。第1段階の調査をもとに保育者養成校での表現領域のクロスカリキュラムの試案の検討と授業実践を行うと同時に、第2段階の保育者養成校へのクロスカリキュラムについてのアンケート調査の実施も並行して進め、遅れを取り戻したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度の幼稚園・保育園へのアンケート調査の結果をまとめ、日本保育学会および保育士養成協議会研究大会での発表を行う。また、同時に平成27年度後期に開講する「保育実践演習」で調査結果を生かした表現領域のクロスカリキュラムの活動ができるように、研究者間で検討し、授業実践を行う。 また、全国の保育者養成校を対象に、専門科目の授業において領域を横断させた授業実践を行っているか、行っている場合はその具体的な内容についてアンケート調査を実施する。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究者全員が少しずつ残額を残したため、差額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に生じた差額は、平成27年度は、当初計画していなかったアンケート調査実施及びデータ分析のためのアルバイト人員の旅費に充てる予定である。
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