本研究では、実態調査を通して、ダウン症児者の認知発達等の障害特性を明らかにし、さらに、障害福祉サービス事業所との連携から、障害特性に基づく支援プログラムを作成し、有効性の検証を行った。結果、①退行症状が見られるダウン症者は注意機能、高次認知機能などの心身機能にも低下が見られること、②そうした成人期ダウン症者に退行タイプ別の支援プログラムを一定期間提供したところ、一定の変化・改善が見られることなどが明らかとなった。今後はダウン症児者の退行症状のアセスメントの開発・適用を行うとともに、より汎用性のある障害特性に基づく支援システムを開発する必要性がある。
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