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2014 年度 実施状況報告書

漢字読み書きテストを用いた誤答分析によるアセスメント法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 26381319
研究機関京都教育大学

研究代表者

佐藤 克敏  京都教育大学, 教育学部, 教授 (20310360)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード漢字読み書きテスト / 予備調査 / 小学生 / 漢字属性 / 誤答分析
研究実績の概要

読み書きに困難を示す児童の特徴を把握するための漢字読み書きテストの作成し、4年生から6年生(4年生52名、5年生48名、6年生44名)を対象として実施した。漢字読み書きテストに用いた漢字は、各学年で異なるものの熟知性及び複雑性を勘案し、高熟知・高複雑、高熟知・低複雑、低熟知・高複雑、低熟知・低複雑の4パターンの属性に分けて作成した。読みテストでは各属性で8問から10問の範囲であり、書字テストでは各属性で8問から10問の範囲で構成された。テストを実施する際には、「成績を評価するテストではないこと」「一部でもいいのでわかるところまで書くこと」を教示し、漢字読みテスト10分、漢字書字テスト10分程度で実施した。
結果は、読みテストの正答率は4年生81.1%、5年生80.1%、6年生80.6%で、学年間に違いは認められないが、若干高い正答率を示した。属性別の結果では、4年生、5年性では熟知性が高い漢字の方が熟知性が低い漢字よりも高い正答率を示した。また、複雑性についてはそれほど正答率に影響していなかった。書字テストの正答率は、4年生63.9%、5年生66.8%、6年生59.9%で、6年生の正答率が他の学年に比べて低い傾向があった。属性別の結果では、全ての学年で熟知性及び複雑性の影響が認められ、高熟知及び低複雑の属性の漢字の正答率が高くなる傾向があった。
また、漢字の誤答分析では、二重の誤答として分類したものもあるが(例えば、視覚(正答と似ている漢字の読み)であるが形態素(刺激語から連想して他の読みをしているもの)など)、読みでは低熟知における類似の音への読み謝り、書字では、空白による誤答が最も多かったが、低熟知では同音(読みが同じ違う漢字)の誤答が多く、高複雑では類似した形態(似ている漢字)の誤答が最も多くみられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度に計画した予備調査を実施し、漢字読み書きテストについて分析することができたため、概ね順調に進展していると考える。

今後の研究の推進方策

予備調査の結果から、読みテストについては、全ての学年において正答率が8割弱を示した若干高い正答率であったと考える。しかしながら、漢字属性である熟知性の影響は結果に現れており、改めて刺激の選定を行わなくても本調査を進めることが可能であると考える。誤答の分析については、現在のところ明確に因子に分かれていないため、予備調査の結果について誤答のカテゴライズの方法を検討した後、本調査をすすめたいと考える。

次年度使用額が生じた理由

予備調査を実施するのが遅くなったため、学会発表等を行わなかったので、旅費を支出せず、次年度以降に予定している心理検査の購入に予算を当てたため。

次年度使用額の使用計画

予備調査の結果を含めて公表すること、及び学会旅費を支出する予定である。

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公開日: 2016-05-27  

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