本研究は、小学生を対象として漢字属性(親近性、複雑性)が漢字の読み書きに与える影響について分析することによって、読み書きに困難を示す児童の認知特性の把握と漢字の読み書き指導の方略選択に役立つアセスメントツールを開発することを目的とした。 研究結果から、以下のことが指摘された。①読み書きに困難を示す児童ほど親近性と複雑性の影響を受ける、②読み書きに困難を示す児童に対する漢字の複雑性もしくは親近性による影響は個人差がある、③複雑性もしくは親近性による影響の違いから、指導方略を検討できる可能性がある。
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