研究課題/領域番号 |
26381324
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
関 あゆみ 北海道大学, 教育学研究科(研究院), 准教授 (10304221)
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研究分担者 |
小枝 達也 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, その他 (70225390)
内山 仁志 国際医療福祉大学, 保健医療学部, 准教授 (60348604)
谷中 久和 鳥取大学, 学内共同利用施設等, その他 (60548907)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 学習障害 / 発達性ディスレクシア / 早期発見 / 早期支援 / RTIモデル / 認知特性 |
研究実績の概要 |
2014年度より研究に参加した後行群(鳥取市の全小学校45校 約1700名)のうち、第3段階の指導が必要と判断された児に対して指導と評価を行った。第2段階までの指導によって十分な改善が得られなかった42名のうち、知的障害支援学級に入級した9名を除く33名を第3段階の指導対象とした。(昨年度の実績報告書では4名の知的障害が疑われる児も除いたが、判断根拠が不明であったため指導対象に含めることとした。)このうち、語彙指導への参加者は30名、保護者からの研究参加への同意が得られたのは27名であった。 第3段階の語彙指導は、各小学校教員または教育センター教員、大学スタッフにより、5月から1月までの間(学校休業期間を除く)、週1回40分、デジタル語彙指導教材を用いて個別で行った。指導開始前(5月)、9月、1月に、音読能力、語彙能力、認知能力の評価、および、視線計測装置を用いた音読時の注視回数・注視時間の評価を行った。1月時点の検査では、語彙指導を受けた児の約20%がひらがな音読能力が基準内に改善しており、3年生以降の指導は不要と判断された。先行群(2014年度に語彙指導を実施した8名)の結果と合わせ、指導による音読能力の改善と認知行動特性の関連について解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
支援および認知機能評価については、当初計画以上の研究協力者が得られており、反応不良例の認知行動特性について十分な検討を行うことができる。 当初計画していた機能的MRIについては、鳥取大学側のMRI機器更新作業の遅れ、および研究代表者の所属変更のため、現在の研究参加者を用いての実施は困難と判断した。研究代表者の現所属地である北海道大学で新たな研究協力者を対象として実施できるよう、実験環境の整備と研究協力校の確保を行ったが、当初計画どおり進めることは困難な状況である。
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今後の研究の推進方策 |
先行群(2014年度指導実施)と後行群(2015年度指導実施)を合わせて、指導による音読能力の改善と認知行動特性の関連について解析をすすめる。また、教員を対象とするシンポジウムを行い研究成果の還元を行う予定である。 当初予定していた機能的MRIでの検討については、今後、北海道大学において新たな研究協力者を対象として実施する必要があるため、今年度から新たな研究協力校での指導を開始する。年度内に十分な数の被験者は得られないと予測されるため、機能的MRIによる検討は補足的研究となるが、今後の展開を考え、ERP等を含めた多面的検討を行える実験デザインに変更する。
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次年度使用額が生じた理由 |
機能的MRIによる研究が実施できなかったため、それに関連する人件費・謝金が今年度は必要なかったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
機能的MRI研究を新たな被験者を対象として北海道大学で実施できる環境を整備するため、新たな研究協力校での指導の開始、機能的MRI実験の環境整備を行う。研究協力校での指導実施のため研究補助員を雇用する費用にあてるとともに、北海道大学でのMRI使用登録料、使用料、研究協力者への謝金にあてる。
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