研究課題/領域番号 |
26381329
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研究機関 | 大分大学 |
研究代表者 |
衛藤 裕司 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (00284779)
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研究分担者 |
肥後 祥治 鹿児島大学, 教育学部, 教授 (90251008)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 高校生 / 困難感 / 質問紙 / 合理的配慮 / リアル・ニーズ |
研究実績の概要 |
平成27年度は,高校生の学習面・行動面(対人面を含む)に関する困難感に関して,平成26年度の1回目の全県調査(対象:公立高校在籍の高校2年生)に続き,2回目の全県調査(公立高校在籍の高校1年生)を実施した。対象生徒数は1回目と同様,7000人強であった。平成27年度は,この結果を用い,平成27年度の実施で問題となった質問紙の因子構造の再検討を行った。その結果,学習面・行動面(対人面を含む)に関する12子と精神状態に関する1因子の13因子が抽出され,平成27年度版の質問項目は,Basic Academic Skills)に関する困難感を測定されていることが示唆された。これらの結果は,対象校全校に返却された。このことにより,生徒個人の苦手な領域の特定が容易になり,同時に,必要とする外部専門家のへの紹介の適切性を高めることが期待できる。 また,平成27年度は,県教育委員会の特別支援教育課,高校教育課と協力し,「合理的配慮提供手続きマニュアル-高等学校版-」を作成した。これは,リアル・ニーズ方式と呼ばれる高校生本人の希望と高校が提供できる配慮の一致点を探る手続きに基づいており,この基本メニューの中に,外部専門家を紹介する項目が設定されている。この手続きマニュアルは,県教育員会によって印刷・配布がなされた。 これらの成果は,日本特殊教育学会等で口頭発表された他,平成28年5月末に刊行される書籍の一章にまとめられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
全14000人の高校生を対象として実施を予定していた全県調査は,計画通りに平成26年度に7000人強,平成27年度に同じく7000人強に実施され,その基本的分析がなされた。また,高等学校内部での支援である合理的配慮提供マニュアルを平成27年度に作成し終え,平成28年度から県下の全高校が,合理的配慮の提供を実施するためのツール作成が終了したている。 予定通り,平成28年度はさらに詳細な分析と実践上の外部機関の利用について,検討が行える。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は,複数の分析者による質問紙の項目の妥当性の検証,及び外部機関の実際の利用データを収集・分析を行う予定である。 また,同時に収集した教科の得手不得手との関係について検討を行う。 国際心理学会において発表を行う他,平成27年度に実施できなかった海外の学会等での情報収集も行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
第三者(外部業者)による統計的分析を平成28年度に繰り越したため
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次年度使用額の使用計画 |
上記の予定通り,実施
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