研究課題/領域番号 |
26381330
|
研究機関 | 県立広島大学 |
研究代表者 |
古山 千佳子 県立広島大学, 保健福祉学部, 准教授 (90280205)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 特別支援教育 / 作業療法士 / 教員 / 連携 / 協働 / スクールAMPS |
研究実績の概要 |
文献レビューの結果,作業療法士が,学校で,学校版運動とプロセス技能評価(以下,スクールAMPS)を用いて教員と協働することで,幼児児童生徒の学校課題遂行能力が向上したという事例が報告されている。そこで,今年度は,学校でスクールAMPSを用いて作業療法を実践している教員と作業療法士に対してアンケート調査を実施し,教員と作業療法士の協働の現状を調査する予定だった。しかし,予備調査を実施した結果,スクールAMPSを用いて学校で作業療法を実践した経験のある作業療法士はその有用性を実感しているが,スクールAMPS講習会に参加した作業療法士の中で,実際にスクールAMPSを用いた作業療法を実践している作業療法士はかなり少ないことが明らかになった。そこで,アンケート調査で全体像を把握するのではなく,すでにスクールAMPS講習会を受講した作業療法士(7名),これから講習会を受講する予定の作業療法士(13名),スクールAMPSを用いて作業療法士と協働した経験のある教員(2名),スクールソーシャルワーカー(1名)(合計23名)を対象に,1)教員と作業療法士の協働の現状,2)学校におけるスクールAMPSを用いた作業療法が進まない理由,その問題点と今後の可能性について,グループインタビューを実施した。グループインタビューは5-6名を1つのグループとして行ない,インタビューの内容は,被験者の同意のもとで記録し,同時にオーディオテープに録音した。この結果について現在分析中である。 さらに,学校においてスクールAMPSを用いた作業療法を実践する作業療法士を増やす目的で,15名の作業療法士を対象にスクールAMPS講習会を開催した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
スクールAMPSを用いた作業療法を実践する作業療法士の数が少なく,アンケート調査が実施できない現状が明らかとなり,データ収集方法をグループインタビューに変更した。その結果,アンケート調査よりも現実的で詳細なデータが収集することができたが,データ分析に時間を要している。
|
今後の研究の推進方策 |
教員と作業療法士の協働の現状およびスクールAMPSを用いた作業療法実践の問題点と可能性に関するグループインタビューの内容を質的に分析し,結果としてまとめる。さらに,スクールAMPS講習会を受講した15名中,同意の得られた13名からスクールAMPSを用いた作業療法の事例を集めて,学校における作業療法の事例集を作成する。 グループインタビューの結果と事例集の内容をもとに,特別支援教育における教員と作業療法士の理想的な連携・協働モデルを提案する予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
今年度実施予定だったアンケート調査を実施しなかったこと,または事例集の作成が遅れていることなどから,印刷費および郵送費が発生しなかったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
学校におけるスクールAMPSを用いた作業療法の事例集を作成するために,研究協力者と共に事例報告会や研究打ち合わせを行う。または,集まった事例の一部を学会等で発表する。そのための研究者または協力者の旅費および謝礼の一部として使用する予定である。さらに,事例集作成のための印刷費および郵送費として利用する予定である。
|