本研究は学校現場において重要な課題の1つである「かかわり行動に困難をきたす子どもたち」に対する教師の力の1つとして「行動観察力」に着目した。ここでは、幼稚園教師の行動観察力として、「関係的視点から子どもの行動を捉える力」と「子どもの行動を流れのなかで捉える力」の2点を重視した。 第1次研究では、「幼稚園教師の行動観察力」をクリッカーを用いた可視化資料から読み取ることに努めた。 第2次研究では、保育現場を視野に入れた4つの研究として進めた。それらは、保育者と熟達者との比較分析がなされ、その結果、保育者群はエピソード重視型の傾向にあるのに対して、熟達者は文脈重視型であることが明らかにされた。
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